亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

FOMCで起きて見たのは首里城

2019年10月31日 20時26分29秒 | 金融市場の話題
今朝はFOMCの結果を見ようと起きだして驚いた。首里城が燃え盛る映像は衝撃的というより、端的にショックだった。ノートルダム大聖堂の火災も驚いたが、はっきり言ってこっちのほうが衝撃度は遥かに大きかった。本当に今こんなことが起きているのか?!なぜこんなに燃え広がっているんだ!?止められないのかと思った。残念です。。

FOMCは大方の予想に沿った内容となった。25ベーシスポイント(bp、=0.25%)の利下げを決めた。政策金利はこれで1.50~1.75%となった。今後の利下げ余地は、過去の経緯からみてかなり限られたものとなる。声明文では景気拡大を維持するために「適切に行動する(act as appropriate)」との文言が削除され、「政策金利目標レンジの適切な道筋を精査する(an appropriate path)」との表現に置き換えられた。政策を巡って既定路線は設けず、まず今後の経済データを注視する姿勢が強調された。これまでもパウエルFRB議長は、データ次第(data-dependent)での対応を唱えてきたが、想定を下回った場合には追加緩和の余地を残しているとみられる。つまり、「予防的な利下げ」局面は今回で一段落というスタンスを比較的明確に示したものの、利下げサイクルの終了か否かは今後の展開次第という解釈になろう。

パウエル議長は、注視してきた主要なリスクは世界の成長減速と貿易政策の動向とし、特に貿易動向とした。予防的な利下げは今回で一応終わったものの、(予防的な)行動の背後にあったのが米中摩擦であることを考えれば、「第1段階の部分的合意」が想定通り11月に成立しなければ次回12月の会合での利下げの可能性も残りそうだ。今回の声明文でも「不透明感(uncertainties)」との文言は残している。

不透明要因としてはさっそく本日早朝に、11月16-17日にチリで開催予定となっていたアジア太平洋経済協力(APEC)会合が、チリの国内政治の不安定を理由に開催の見送りが発表されるサプライズがあった。いわゆる「ドタキャン」。この機会をとらえての米中首脳会談も自動的に流れることになった。米国側はなお11月中の合意署名の見通しを示しているものの、不透明感が高まりそうだ。いまやウクライナ・ゲートとも呼ばれそうな弾劾調査で、ここまでのトランプ大統領のアメリカならぬ「自己」第一主義的な外交における身勝手な行動(個人プレー)に、インテリジェンスや軍関係から、もはや限界見てられぬというような動きが出ているようだ。

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