亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

打上げ花火

2005年06月23日 15時04分16秒 | 金融市場の話題
フォードが発表した業績下方修正が目を引いた。今年に入って2度目の下方修正だが、1株あたりの利益見通しを1~1.25ドルとした。新車販売の不振、部品調達費の上昇をメディアは指摘するが、結局はガソリン価格上昇の中で注力したSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)の売れ行きが思わしくないということだろう。前回の発表は1ヵ月半ほど前で、その時の見通しは1株あたり1.25~1.5ドルだった。これだけの短期間で20%の下方修正をせざるを得ないフォードの状況から見えてくるのは、「社員価格での販売」を前面に出し値引き販売に注力中のGM(ゼネラル・モーターズ)の苦戦だろう。値引きで多少シェアを回復してもねぇ、ということ。GMに関しては、もっぱら会社側の医療費負担軽減を目的とした労組側との交渉結果の行方が関心の的だが、やはり本体の売り上げが上向かないことには何ともならない。今回のフォードのような落ちた売り上げ、落ちた利益に対応したリストラ拡大の発表は、どうしても後追いの(後手)イメージは拭えず、結局「縮小均衡」のなかシェアの下落に歯止めが掛かりそうにない。近い内にGMもニュースになるのだろうが、労組側の妥協が「朗報」と言うのでは、それも一時凌ぎに終わるのではないか。他に決算では内紛に揺れるモルガン・スタンレーの3-5月期決算は前期比24%の減益となった。右へ倣えの好決算は金融分野でも終わったようだ。
金融といえばクレジット・カードの情報大量流失問題。半年余りにわたり不正アクセスに気付かなかったという点が驚き。被害額はこれから更に拡大するのだろう。そんなことより(というと語弊があるが)不正アクセスを防げなかったのが、この会社固有の問題なのか、それともシステム上で根本的な問題があったのかということが気に掛かる。金融の世界は数字の増減というバーチャルな世界のことゆえ、ネットワーク上の欠陥は致命的な問題に至る可能性もある。推移を見守らねばなるまいね。
そういえば今日の日経朝刊の金融面(P7)の左隅の「インド株投信、即日完売」の記事。市場経済(資本主義)のインフラがあり民主制が古くから根付いているインドへの投資が安心で人気ということだが、「即日完売」という表現は果たしてどうか。少なくとも事前の募集活動をやっていると思うので、それが追加募集の当日にこれだけの金額が集まったかのような記事(人気沸騰)になるのは夏も近いし“打上げ花火”のようなものだろう。
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