亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

財政赤字は気にするな!(金市場はイベント待ち)

2020年06月18日 20時55分45秒 | 金市場
今週は2日間に渡りパウエル議長の議会証言があった。半期に1度、FRB議長が金融市場や経済の状況を議会に報告するというもの。以前はハンフリー・ホーキンス法による議会報告と呼ばれていたもの。初日は上院銀行委員会、2日目は下院金融サービス委員会だった。内容的には、前週に発表された

内容としては、前週12日に報告書が公表されており、それに沿った内容を議長が話すことから、報道では目立った点はなしのようなものもあったが、議員との質疑応答など、これは!!という内容もあった。それは財政のさらなる積極発動を促したところ。前日は共和党議員が、FRBは金融のことだけに集中していればいいという感じで、余計なことに口を挟むな的なやり取りもあったとみられる。そもそも共和党は伝統的に財政の拡大を嫌がる傾向があるゆえ、議長にしても想定済みか・・・と。

昨夜17日(下院金融サービス委員会)は、このところの予想を上回る米経済指標について「回復開始の初期段階」としたうえで、雇用に関しては7月にかけて増加が見込めるとした。しかし、一段の景気支援がなお必要であり、「(危機を)乗り越えたと完全に確信できるまで、FRBはアクセルを踏み続ける」とした。その上で必要があれば追加緩和策の可能性を除外しない方針を表明、「バランスシートの規模を懸念すべき時ではない」とした。

そして前日同様、失業者や小企業を支援するために議会による財政支援が不可欠だとした。そういえば上院ではFRBが大量の米国債を購入しているのは、連邦政府の債務を穴埋めする「財政ファイナンス」との指摘が出た。議長は、米国債の購入は「市場の円滑な取引を支えるための手段」と答えている。なるほど、言いようもあるもんだと。

2500万人の失業者を復職させるのは容易ではなく時間がかかるとして、週600ドルの失業保険の追加給付について、7月の期限切れ後も何らかの形で継続する必要があるとした。この件はむしろスポイルされて職探しをしない傾向を助長するので、打ち切りにした方がいいとの意見もある。いやいや手厚くしなさいというのが、パウエル議長の視点。

政府の財政赤字拡大もいまは躊躇するべきでないとしたのは、これまで通りだが、驚いたのは、「米国は基軸通貨発行国で、大いに国債発行能力がある。いまは経済再生を優先すべき」としたこと。なるほど、FRBの方針が変わったわけだわい・・・と思った。

金市場はイベント待ち。

昨日に続き、お知らせ

来週25日木曜日に、いつものJR中野駅北口「中野サンプラザ」8階セミナールームにて、時節柄social distancing に則った30名限定リアル・セミナーを予定しています。

さらに当日は、その模様をZoomにてライブ配信する予定です。いつもは120分のセミナーを今回は90分とします。諸費用として1000円徴収の有料セミナーとなります。18時30分スタート。

テーマは「金(Gold)」で、「通貨の堕落と金」と題しています。
内容は、今回の値動きの特徴から、いつものようにFRBの政策との絡みなど、90分では時間が足りない可能性がありというところを、まとめます。18時30分スタートです

詳しくは、前回と同じく以下のURLをご覧ください。
渾身の90分一本勝負


http://www.fp-clue.com/seminarinfo210-2.html
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