先週水曜日は、<マクロビオティックZERO Pt.>講座@無何有庵でした。
上級者の皆さんと過ごした半年間。
半年、たった6回で伝えられるものは限られていますが、
無何有庵でずっと学んできたくださった皆さんには、十分届いてくれているという気持ちがしています。なんの根拠もありませんけれど(笑)。
この講座は、横浜の青葉台と同じカリキュラムでいたしましたが、
やはり私のホームグラウンドである、無何有庵で学んでくださった方が対象となる講座だったのかもしれません。
それは、今までどんなことを学んで来られたかがわかる方と、そうでない方では
話の落とし所が変わってしまうからでしょうね。
青葉台でのご参加の方は、反対に初心者の方がほとんどでしたから、
こちらはこちらで、開催させていただけてよかったです。
上級者向けの内容を、初心者向けに組み立てなおして、マクロビオティックのスタートラインに知っていただけていると、きっと、大きな迷いやブレが最小限にとどまってくれるのではないかと願いを込めました。
マクロビオティックの意味を私というフィルターを通しての解釈でお伝えいたしました。
受講された方が、また、ご自身のフィルターを通して、どんどん本質だけが残ってくれることでしょう。
今回のカリキュラムは
<料理>
座学:料理のテーマについて・・・基本食とは何か
実習 ●雑穀和風ハンバーグ
●重ね煮しぐれ味噌 または 鉄火味噌
●切り干し大根の焚いたんのケークサレ
●里芋の味噌スープ(豆味噌)
●お手当
《枇杷の葉の飲用・外用(枇杷の葉の蒟蒻シップ・枇杷の葉の温灸)お手当て法》
<座学>
氣を通す生き方について・・・日本スタイル
●型(形)を整える
礼で変わる→礼を尽くす
正しい作法で変わる
伝統的な所作で変わる
●身体先にありき
上虚下実の意識
日本料理の言葉に観る身体脳
塩梅
匙加減
味見
手間
●呼吸で変わる
●己(マクロビオティック)を消す(ゼロ化)ということ
滅私奉公
断行
捨行
離行
私は、この6回の講座を通してお伝えしたかったことは
マクロビオティックを消化してご自身の生きるエネルギーに変えていただきたいということでした。
消化するということは、消えるまで化すということです。
マクロビオティックを消えるまで化すことで、生きるための血となり肉となるのではないかと思います。
毎日、マクロビオティックが頭から離れない生活なんて、不自然です。
マクロビオティックを生きることが素晴らしいのではなく、あなた自身の人生を生きることが素晴らしいのです。
お料理を作るとき、マクロビオティックの方法を考えながら作っておいしいでしょうか?
食べてくださる方の笑顔を思いながら作る方が幸せなのではないでしょうか?
食べることは生きることです。
食べ方は生き方です。
どなたかがステーキを食べているのを見て、眉をしかめますか?
その方の食べ方=生き方を否定しますか?
全ての方がマクロビオティックを実践しなくてはいけませんか?
わたしたちマクロビアンのどこかに潜んでいる、そんな思いはなぜ生まれるのでしょうか?
自分たちが正しいという傲慢です。
マクロビオティックが全てという、思いこみと思いすごしと思い違いです。
マクロビオティックをZEROにする。
消えてしまうまでゼロにする。
ここからマクロビオティックの吸収が始まる気がします。
そして、基本食の意味。
レシピ通り作ることが基本食ではなく、本質に基づいて人を良くするものが「基本食」。
本質とは、
本=生命のおおもと。食材と食べる人。言い換えれば植物と動物。食べる、食べられる両者。
質=変化する状況。
つまり、基本食とは、食べる人と食材を見極めて理にかなうように調整して、人が良くなるように料理したものです。
だから、毎日食べてどんどん元気になる食べ物のことです。
基本食を食べて、どんどん陽性化していったり、陰性化していったりというのは、
基本食の意味を取り違えているからです。
基本食は変化しないもの(レシピ通り)では決してありません。
私は大阪のマクロビオティックの拠点でもある正食協会の正食クッキングスクールの師範科を卒業しましたが、師範クラスの最初の授業で、こんなことがありました。
岡田昭子校長先生から、きんぴら牛蒡とひじき蓮根をレシピなしで作りなさいというテーマがあたえられました。
あたりはざわざわっとして、「覚えてないよ~」って生徒の泣き顔。
校長先生は「あなた方は、幸せなのですよ。周りに病気の方がいらっしゃらないから毎日つくることがないでしょう。だから基本食のレシピを覚えていなくても毎日が過ごせているんですよ。」と優しく戒められました。
「あ~、本当だなぁ」って皆思ったのでした。
その日の午後からは当時の岡田定三会長の講義でした。
開口一番に発せられたのは「料理教室スタッフにもの申す!」という言葉でした。
基本食のレシピはいつもいつまでもどんな時でも同じだというのはおかしいという内容でした。
私たちは「え~???」
午前中に習ったことを真っ向から否定された気がしました。
マクロビオティック初心者の私たちは、この時右往左往したのでした。
今考えれば、どちらもとても大切なことを教えて下さり、どちらも正しいことです。
しかし、場合によってはどちらも正しくないということになる、陰陽の振り子でした。
あの時の何人の方が上手に受け止めることができたでしょうか?
正食クッキングスクールでは様々な方が習われていました。
ある方は、野菜は葉っぱからゆでた方がおいしいのよ。
陰性から火をいれるのが正しいのだからとおっしゃられました。
また、ある方は、ゴマ塩は右回しじゃないといけないのよ。
陽性にしなくてはいけないからとおっしゃられました。
少し違和感を感じながら聴いた記憶が懐かしいです。
以前にブログにも書きましたがこういったことが、
「マクロビオティックへのご批判」につながることなのでしょう。
私は、同窓の方々がおっしゃられたことが間違いでもなく、あり方によっては正しくもなくということを今になっては理解いたしますが、やはり初めての方、あるいは、数年マクロビオティックを実践されてこられた方の中には、まだまだ理解しにくい状況であるのではないかと思っております。
特に、病気からはいられた方、料理だけを学んでこられた方が陥りやすい「マクロビオティックの落とし穴」があるのではないかと思います。
こんなご感想をいただきました。
「頭の中をかき回された感じ」
「マクロビに出合って数年、必死にお料理を習ってましたが、今は、生き方、日々の暮らし方を見つめていきたい」
「マクロビオティックは自然に対峙するための知恵なのだと思いました。自然を見つめてこそ私たちはより生かされるという気がしました」
「マクロビオティックを無にするということがどういうことなのか、受講して始めて納得しました」
今回のお料理。
雑穀のハンバーグと時雨味噌
里芋の揚げ団子の味噌スープ
切干大根の焚いたんのケークサレ
切干大根の焚いたんとピュレを添えて
お料理の全体写真
青葉台の教室の写真。
雑穀ハンバーグと野菜のまるごとグレイビーソース
里芋の揚げ団子の味噌スープと鉄火味噌
切干大根の焚いたんのケークサレ
お手当は枇杷の葉の温灸&こんにゃくシップの実習でした。
お手当だけのご参加も頂きました。
無何有庵と青葉台では若干内容が違います。
時雨味噌と鉄火味噌の違いや実習のあるなしなど・・・。
受講料の違いもございますので、無何有庵の皆さんにはご了承願います。
半年間、ありがとうございました。
また、皆さんのZERO Pt.を経たマクロビオティックを見せてくださいね。
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