マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

出汁のちから

2014年03月23日 14時16分14秒 | マクロビオティック料理応用 羹(こう)
先週金曜日に、「出汁を極める」というテーマで出汁講座を開催いたしました。

いつもの羹のコースでの「出汁」のレッスンは
精進出汁を使って、和洋中のお料理を作るというものでしたが、
今回は、マクロビオティックを深く考えていただくためにも、今までの昆布、干し椎茸、野菜、豆類、穀類に加えて、鰹、イリコ、アゴ、鶏ガラなども含めて、出汁の本質も知っていただけるようにいたしました。

マクロビオティックのお料理での出汁は、野菜の出汁(野菜そのものや、野菜のヘタや皮、外葉、あるいは乾燥野菜の戻し汁)などを使うことが多く、昆布、干し椎茸なども陰陽の使い分けによって、使ったり使わなかったりいたしますが、動物性食材による出汁においては眉をひそめるような、へたをすると日本の食文化までを否定したり、認めなかったりしてしまう狭い視野で物事を図ることになってしまいがちです。

でも、鰹節のことをちゃんと知ることで、いかにマクロビオティックの理にかなっているのかがわかりますし、昆布も産地や熟成具合で、味も、エネルギーも変わり、料理の質を変えてくれます。

そして、なにより、出汁の醸し出すミネラルの力は、私たちのカラダに素晴らしい変化をもたらしてくれます。

ご参加のみなさんとご一緒に実習しながら学ぶ機会となり、私もあらためて出汁の力を見直すきっかけをいただけて、いい経験となりました。

まずは、いつもの野菜くずで作るフォンドレギューム(野菜ブイヨン)は、玉ねぎの皮や、ブロッコリーやカリフラワーの葉、芯、キャベツの芯、外葉、人参のヘタ、など、皮や生長点など、抗酸化力の強い、ミネラルたっぷりのスープの素がこれ。



最近は、ベジブロスという名前で見直されてますが、野菜の旨味がたっぷりのおいしいスープが取れます。

野菜のスープでは、このほかに「甘い野菜のスープ」を作りました。人参、かぼちゃ、キャベツ、玉ねぎを小さなサイコロに切り、同量を蒸し煮して、そこに水を注いでスープにします。糖尿病にも穏やかな飲み物で、血糖値の調整時にお役立ちのスープでもあります。甘み断ちをされている方にも、効果を発揮してくれます。



上の写真は、マクロビオティックでは「玄心」と言われるじっくりと8時間以上焙煎した玄米を煮出していただくスープの素です。
辰巳良子さんが著書でご紹介された「命のスープ」と呼んでおられるスープの原型であり、食養では欠かせないスープをつくる焙煎玄米です。

そして、昆布と椎茸の出汁。





素材の選び方、扱い方、保存方法、そして、水出汁の方法、煮出しの方法のご紹介をいたしました。

特に昆布については、歴史、産地、種類、格付け、用途、保存方法、味付けの調味料との相性、熟成昆布についてなどなどお話しさせていただきました。



我が家には、2005年採取の熟成ひね昆布(利尻島物蔵囲い)から、年々昆布を自宅パントリーで熟成保存して常備しておりますが、新ものと、ひねもの(囲い)の味比べ、塩と醤油で味付けした比較などを体験していただきました。

蔵囲いのひねものは、見た目から熟成具合が見て取れます。





2005年採取



2009年採取

さらに、出汁といえば鰹出汁ですが、日本の食文化に欠かせない鰹節。
その作り方の工程、種類、それから、削り器の扱い方、削り方、出汁の取り方をご説明、実習いたしました。今回は4回以上黴付けをした本枯節を使用。
陽性な鰹が鰹節となり黴付けをされ、中庸に加工された本枯節は、まさにマクロビオティック的な考え方により陰陽バランスの取れた食材に変化。熟成された味わいは、他国にはない、旨味滋味にあふれています。



他には、いりこ、アゴを炒ったもの、炒っていないもので取った出汁の味比べ、鶏のガラのスープの取り方など、実習をいたしました。

それらの出汁を使って、簡単な煮物、吸い物、お浸し、スープなどを作りました。



ご家庭で簡単にできるミネラルたっぷりの出汁。
体温が上がり、精神が落ち着き、ミネラル不足の現代人こそ必要な日本の食文化をぜひ取り入れて、毎日を健康にお過ごしください。



ご参加の皆様、長時間、お疲れ様でした。






































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