リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

正しい言葉遣い

2022年11月23日 22時12分33秒 | 日々のこと
天皇陛下がユーミン、ひふみんら今年の文化功労者17人と皇居で面会面会されたとのことです。皇后様はユーミンに直接お言葉がけをされたそうです。ユーミンの音楽はアレンジャーの松任谷正隆がいて成り立っているので、彼も功労者に選ばれるべきだとは思いますが、それはさておき。

新聞にはこのことが小さく載っていて、「大衆音楽の松任谷由実さんら・・・が皇居で・・・」とありました。大衆音楽ねぇ。もうあまり使わない言葉ですよね。ここはシンガーソングライターと書くべきところでしょう。大衆音楽ということばからは50年くらい前の演歌っぽい音楽を連想してしまいます。

以前ラジオで「本格的バロック音楽の演奏家である鈴木秀美さんのコンサートが開催されます。・・・」という宣伝を聞いたことがありましたが、本格的というのは普通はシロウトがすることに対してして使うことばでしょう。本式なんかも同様な状況で使われると思います。だれもカラヤンの演奏を本格的とは言わないですよね。

これらとはレベチですが、私も昔教員をやっていた時代に名古屋でリサイタルを開催した際、来場していただいた学校関係者の方から、「センセイ、本格的なコンサートですね!」って言われたことがありました。私は「あなたねぇ、本格的という言い方はトーシローに対していうことば。ことばの使い方に気をつけて。これはちゃんとしたリサイタル!」と言えるとよかったんですが、気が弱い私はとてもそんな傲慢な言葉は口にすることはできず、「あ、ありがとうございました。なんとか無事に終わりました」と言って波風たてずに善人のフリをしていました。(笑い)