リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バロック・リュート奏法の歴史的根拠と実践(16)

2022年11月28日 14時34分37秒 | 音楽系
それではMf.2002手稿本に関するスミス他論文をもとに、同手稿本のリュート技術解説を見ていきましょう。項目1番2番は調弦のことなので省略して3番です。

右手小指の扱いです。

「右手小指はブリッジの向こうではなく手前に置く」

右手小指を表面板に置くのは、リュートを弾くときの常識といって言いことがらですが、どのあたりに置くかの話です。小指がブリッジの向こう、つまり弦を張っていない側においている昔の絵を見たことがありますが、それはアカンと言うことなんですね。

シャルル・ムートンはこんな感じです。



さすが、項目3番の仰せの通りです。

土曜日のコンサートの私はこんな感じでした。



うむ、まぁよく似た感じですね。

でも現代のプロ奏者でこのポジションは少ないと思います。多くはもっとブリッジよりとかあまり位置を固定しないという方法をとっています。