Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

隙間の音

2012年11月15日 | 家・わたくしごと
 日々、何かに忙殺されている。「これが終わったら、そうだ、あれもやらなくっちゃいけないし、あの書類の続きはどこにいったんだろう…」なんて日常。あっという間に一日が過ぎる。ため息ついて一日終わる。フー……って。
 そんなとき、時たまガラス越しに外の音が聞こえる。風の音だったり、車の音だったり。耳を澄ますと、いろいろな音が身の回りにあふれている。これが「隙間の音」。これに耳を傾けるのが一日のうちで最も贅沢な時間。そんな時には、ちょっぴりお酒でも飲んでいいいかなって。寒くても、テラスに出て「隙間の音」に耳を傾ける。おー寒っ。
 本当は「隙間の音」なんかじゃない。だっていつもここにあるのだもの。聞こうと耳を傾ければ聞こえるはずなのに、いつもはさっぱり聞こえない。だから「隙間の音」。やわらかい何枚もの布でそんな音世界はすっぽりと上から覆われている。そして不安定な揺らぐ布の上でぼくらは生きている。でも布と布の間には、わずかばかりの隙間が存在しているんだよ。そんな場所に通りかかる時だけ聞こえる音が隙間の音。でも、その音につられて絶対にその隙間に落ちてはいけない!
 最近は布の継ぎ目にさっぱりで出会わないよ。同じ布の上をくるくるまわっているのか、それとも布が巨大すぎるのか、あるいは布やわらかすぎて前に進めないのかしら?だから「隙間の音」に出会えた時は至福の喜び。今日も夜のベランダに出れたよ。フー……って。でもこれはため息じゃない。