社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

医療格差の時代 米山公啓(2008) ちくま新書

2008-12-07 21:23:43 | 医学
「メタボ健診」「研修医制度」「医師の過剰労働」など、いま話題となっているトピックが分かりやすく書いてある。


「フリーターのような医者が増加している」という指摘に、思わず釘づけになった。
思えば、私が勤務していた診療所も、一時期は内科の常勤医が1人で、あとは当直も含めて10人前後の非常勤の医師であった。
日中の訪問診療でさえも、週に1回の半日しか枠を持たない医師が多く、そういった雇用形態の中で、「円滑なチーム医療」を求めるのは非常に難しい。
当直になると、半年に1回の頻度で、「ぽっかり時間が空いたから、穴埋めするためのバイト」という意識で勤務に臨む医師も少なくなかった。

在宅医療は、医師にとっては未だに「魅力がない」もので、「医療の最前線に乗り遅れてしまう」ものなのか?
コ・メディカルがどんなに頑張っても、医師無しでは医療チームは成り立たない。
だからこそ、医師には「暇つぶしのためのバイト」としてではなく、たとえ非常勤であっても、「医学の専門家」で在り続けて欲しいと、切に願っている。

コメント
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