社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

急性期病院における患者と家族の体験する悲嘆作業 大賀有記『社会福祉学 第49巻第3号 2008』

2008-12-15 22:01:43 | 社会福祉学
副題:3つの「観察軸」を用いたソーシャルワーク・アセスメント-

急性期病院において、医療スタッフから「困った」とみなされた患者・家族の言動を、身体機能後の喪失作業の観点から検討し、ソーシャルワークアセスメントについて考察している。


「困った」とみなされる患者・家族の特徴として…悲嘆作業プロセスの否認や怒りの段階にとどまることが多い。喪失の事実を認めるよりも、その先の生活に適応するという課題に取り組む傾向がある。内的なニーズがあっても、それは外的なものとして表出されることがある。


筆者も指摘されているが、急性期病院は、「いかに入院期間を短くするか」に追われている。そのなかで、「困った」とみなされる患者・家族の言動の源に注目し、アプローチできることこそが、ソーシャルワークなんだろうと思う。
「悲嘆」と聞くと、「=死別体験」と連想しがちであるが、もっと身近で様々な現象によって引き起こされ、日常的に「ケア」が必要なものであることを、再認識させられた。

コメント
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