社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「終末期ケアにおける医療ソーシャルワーカーの役割と課題」片岡靖子

2010-06-10 11:27:10 | 社会福祉学
『九州保健福祉大学研究紀要』(8)2007

医療ソーシャルワーカーの配置がない医療機関に勤務する、医療スタッフへのフォーカストグループインタビューの調査結果を報告している。
さらに先行研究と照合し、医療福祉問題を整理した上で、どのようにソーシャルワーカーが貢献できるかを提案している。

本研究での「終末期ケア」の定義
「何らかの傷病により回復の見込みがなくなった患者や家族を対象とし、生から死へと移行する過程において生じる精神的、身体的、社会的、霊的な諸問題への対応を援助していく過程」


アメリカのホスピスケア(Rusnackら)
「患者本人にとっての代弁者、カウンセラー、教育者、擁護者、支持者、調停者、協働者」

調査結果から⇒・死の受容に対する心理社会的援助について、医療ソーシャルワーカーに介入して欲しい…(先行研究と照合:誰にどのように告げるのかといったことを判断するための情報収集や調整を医療ソーシャルワーカーに期待している)


ソーシャルワーカーの配置がない機関へのインタビュー調査は、珍しいと思う。それゆえに、ソーシャルワーカーへの理解が十分でなかったり、「これはソーシャルワーカーがいたら解決するのに」といった項目が、機関が抱えている問題として回答されていた。こういった声がもっともっと出てくれば、ソーシャルワーカーの存在価値が明白になるのに…と感じた。








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