副題:-スピリチュアリティに配慮したソーシャルワークの観点を参考にー
在宅診療を行う在宅療養支援診療所のソーシャルワーカーの活動についての文献から、その役割や機能についての記述を整理することを目的としている。
数少ない先行研究を丁寧にまとめ、分かりやすく分類している。在宅医療におけるソーシャルワークを知るためには、とても有効な論文である。
引用
・ソーシャルワークは生きている人全体を対象とし、彼らが生を全うするまで支援を継続する責任をもつ。
・(先行研究を整理した結果として)在宅医療ソーシャルワーカーの専門性は、①クライエントの主体性を尊重した医療実践に影響を与えること、②クライエントを包括的に理解し、その日常生活を脅かさないような医療と看護のあり方を提案すること、③人(ミクロ)と環境(メゾ・マクロ)の双方に働きかけ、その関係性を調和させるソーシャルワーク実践を行うこと、④生活の場における積極的なニーズの把握とその継続的対応を行うこと、⑤メゾ・マクロレベルに偏重することなくミクロレベルの実践をすることにより個々人が尊重された生活を送ることができること、といえる。
この論文が発表されたいま現在、「在宅医療ソーシャルワーカー」「在宅医療ソーシャルワーク」という言葉が、戸惑いもなく用いられ、そして受容されていることにとても感銘を受けた。
私が現場で実践をしていた頃そして、初めて調査をした頃(1999年~2010年)、とてもあいまいでフワフワとした存在であったものが、
この論文のようにひとつにまとめられるほどに、量的にも質的にも蓄積されていることが本当に本当に嬉しい!!
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