社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「孤立死を防ぎ、社会的孤立をいかに解消するか‐コミュニティソーシャルワーク実践のあり方に関する研究‐」

2016-08-05 07:14:19 | 社会福祉学
田中英樹、中野いく子、高橋信幸 『社会福祉学』第56巻第2号

 社会的に孤立しがちな人たち対するコミュニティソーシャルワークの在り方を明らかにするために、量的調査と質的調査を実施。2段階の調査を踏まえ、現状と課題を提示している。

引用
・コミュニティソーシャルワークとは、社会生活上の困難を抱えた人の生活再建を出発に、チームアプローチを基本とし、地域ネットワークを形成し、誰もが住みやすい地域づくりを指向した実践である。
・(研究結果から分かった)ハイリスク層はどういう人か?⇒都市部は「孤立に慣れてしまっている人」「マンションの高層に閉じこもっている人」「マンションの単身の住人」「匿名性みたいなところを期待されて居住地として選んでいる人」。山間地では「田舎なので遠いところには行きにくい家がある。山間地域では、隣との距離が死角になり発見が遅れやすい」
・社会的に孤立しがちな人々の課題⇒都市特有の課題としては、「少しずつ、時間をかけて孤立傾向の方の心の薄皮を剥いでいく」



 社会的に孤立していると支援者が感じていても、当事者はそうとは思っていない、もしくはそれをヨシとしている。そういう状況は少なくない。
一人静かに、誰にも看取られることなく逝っても本望だという人に、どのようにアプローチをしていくか。個人の尊重か、他住民(公共)とのバランスか。
個人の尊重…当事者はどこまで理解して、腹をくくって、身辺整理をしてそう望んでいるのか(覚悟を決めているのか)。それを知るのは本当に難しい。

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