社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「ホスピス・緩和ケア病棟の遺族ケアに関する研究」 北得美佐子(2016)

2016-05-02 09:58:37 | これまでの活動
『遺族によるホスピス・緩和ケアの質の評価に関する研究3 J‐HOPE3』(公財)日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団

共同研究者という立場で、分析等の作業にかかわらせていただきました

ホスピス・緩和ケア病棟で家族を亡くされたご遺族1021名に対し調査を実施し、707名から回答を得た。
「死別後の入浴ケア」「カードや手紙の送付」「追悼会」に対するケアについて、ご遺族からの評価と今後の課題を提起している。

引用
・『死別後の入浴ケア』の経験者は9.0%であったが、85.7%は参加への満足を「そう思う」と示した。
・『カードや手紙』は56.7%が受け取り、「家族の悲しみを癒す心遣いであった」と61.6%感じ、「気にかけてくれる」と42.2%が良い反応を示した。
・『追悼会」は6.9%が参加し、看護師や他の遺族との会話を90.0%が「よかったこと」と示した。

・改善点として、遺族ケアの実施時期や連絡方法、家族への目的や方法の説明、医療者の関わり方について、より明確な指標を明らかにする必要があると示された。


よかれと思って提供したケアであっても、それは「押しつけ」であっては決してならないし、かといって「待ち」の姿勢だけではいけない。
各々の家族の生活形態や気持ちのリズムを感じ、良いタイミングで提供しないと、それはケア提供者の自己満足にとどまってしまう。
本当に難しい…でも必要としてる人は多くいる。
試行錯誤、手探り。ケア提供者も研究者も、逃げ出さずに取り組むことが本当に大切。そう思う。







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「10%科学者や20%実践家が... | トップ | 「日本人遺族における宗教性... »

コメントを投稿

これまでの活動」カテゴリの最新記事