トリからキノコ 自然見て歩き

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イチョウ

2015-12-19 | 樹木 草花


同じ大きさのイチョウの木が2本並んでいた
片方は8割がた葉を落としもう片方はほとんど葉が落ちていない
葉を落としているほうはメス樹で 実を作るのにエネルギーを使ってしまい葉を保持していられない
という説明だった もっとも思うが他の要因もあるのではなかろうか

イチョウは中生代のジュラ紀(約1億5000年前)に栄えたグループの一つで今ではイチョウ科にイチョウ1種が知られている
枝は長枝と短枝があり 春に雄花も雌花も短枝に束生する
花と葉は毎年短枝の先端につくので跡が輪になって残り数えれば短枝の年数がわかる

雌花は2㎝程の長さで細い柄の先に胚珠が2個付く
種子の元である胚珠が包まれないで裸出しているので裸子植物という

風に運ばれた花粉が胚珠内に入り花粉室で発芽して精子が出来る
精子は8月末頃から放出され卵細胞を受精させる

この精子を雌木の中に発見したのが東大の平瀬作五郎で明治29年のこと
植物学の後進国であった日本の業績で世界の注目を集めた
小石川植物園に精子発見のイチョウの木が健在でシンボルツリーになっている

種子は銀杏と呼ばれ11月頃に熟すと果肉が軟化しカルボン酸類特有の臭気がする
昔は恐竜の仲間などが食べていたかもしれないとロマンチックに考えるが 今では都心では少数を狸が食べるくらいで種子を散布する動物がいなくなってしまっている