サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

五味岳久/小林祐介/木下理樹 「Across KNNN Street」@新代田LIVE HOUSE FEVER 15.9.28

2015-10-07 | LIVE
                                       
先週の月曜日、このイベントを観に新代田に行ってました。









正直、かなり自分好みのラインナップで、
最初は小林祐介木下理樹みたいな感じだったんですけど
そこに気が付いたら五味岳久が加わり、更に伊東真一(exスパルタローカルズ/HINTO)が木下理樹と、
そして五味岳久が辻友貴(cinema staff)とのコンビ編成になっていて相当豪華な面子になってたんですよね
こんなにも自分の好きなボーカリスト、ミュージシャンが集まる日も早々ないので多少無理してでも行きたいと思ってたのでした

この日はお酒を飲みながら、ゆらゆらと心地良く観てました
そしてそれが似合う雰囲気と演奏と歌ばかりで兎角気持ち良かった、というのが個人的な本音ですね
だからセットリストの記述もいつもより曖昧な感じになるのをお許し下さい
弾き語りだからこそ、伝わって来る情感や想いもあり、それが何より素敵な一夜だったかな、と振り返って思います。では以下。









五味岳久+辻友貴

楽園
Nowhere/どこでもない
つむぐ(新曲・表記適当)
フランジングサン
海の果実
NAGISA


実はLOSTAGEのライブ自体はもう何度も観てますが弾き語りは初めてでした
帽子を被ってお酒を飲んで、いつもとは違って(?)穏やかなムードの五味兄が新鮮だったんですけど
更に新鮮だったのはシネマスタッフの辻くんとのコンビネーションでした
MCでは五味兄「(今度)遊戯王やるんやろ?」
辻「はい・・・」
みたいな、
ちょっとした後輩イジリ(笑)なんかも観れて(ちなみに先述のMCも曖昧なものです、あしからず)
かと思えば、辻くんが新代田にレコード店を開いて経営してる事に関して素直に嬉しい、応援する、って気持ちを露わにしたり、
開店の際には個人的にお花を贈った事も明らかになって、そういう先輩後輩のやり取りや距離感・・・みたいなものも観ていてすっごく楽しかったですし、
それはバンドセットでの五味さんのライブでは有り得ない光景でもあるので、そういうのがいちファンとしてニヤニヤしてしまったり・・・というのはありましたね。
思ってた以上にMCで絡むなあ、というか、思ってた以上の相性の良さがあってその意味でも楽しかった公演

「折角東京に来るんやし・・・」という事で書き下ろした弾き語り用の新曲「つむぐ」(だったかな。表記も適当です)が
とても牧歌的で、少年の頃を思わせる作中観でとても聴いてて沁みる新曲だったんですけど
五味兄が「これレコードにして、二人で売りに行くツアーやりますわ。」的な(!)事をMCで言ったんですよ!
それマジですかっちゅうか、ワクワクしちゃいますよっちゅうか、期待しちゃうんですが!って感じなんですが!!(落ち付け
実際に実現したら、それは本当に楽しみですし是非参加したいものですね

ブッチャーズのカバー「フランジングサン」も良い塩梅の演奏で、
具体的に書くとサビの発音が原曲よりもはっきりとしてるのが新鮮で良いカバーだったと思います
こういう風に、この間ロストインタイムが「9月」を演ってくれたのもそうなんですが
今でも彼の後輩のバンドマンたちが彼の曲を“生で”演奏してくれるというのは単純に中学生からのブッチャーズリスナーとしてもとても嬉しいです
凄く優しい「フランジングサン」にも仕上がっていて、そういうアプローチもまたアリだなあ。と思えたのも良かったですね。

情感溢れる「海の果実」、辻友貴のギターもまた良い具合に歌と寄り添うようなサウンドで実に堪らなかったですね
そして、個人的なハイライトはいつぞやの新宿ナインスパイスでも感激してしまった超久々の「NAGISA」でした
あの物憂げな作中観が、辻くんの繊細過ぎるギターサウンドに乗せて、丁寧にしっとりと歌われる・・・
正直この日もちょっと涙線に来てたんですが、そんな風に思い入れの強い曲を、
しかもソロで演ってくれるとは思っても無かったので
不意打ち的に感激しちゃった部分もあったかも分かりません
それでも、ちょっと力強い声で最後「僕等はまだ 美しい夢を見てる」って歌われた時に感じた琴線が揺さぶられるような感動は真実だった様に思う
また五味拓人さんに負けずとも劣らずにドラマティックなフレーズを添えて来る辻くんの仕事っぷりが堪らない(笑
本当にきれいなものを観たな、美しいものを観たな。って気持ちでいっぱいでした。
自分の評価とは関係ない事を前置きした上で、周りの方々も称賛してて、それもまた個人的に気分が良かったです。
また、この二人で観たいな。期待します。



小林祐介

37.2°
エメラルド
最近あなたの暮らしはどう
chernobyl

他、洋楽カバー曲等



他の出演者が伴奏メンバーを引き連れて来る中、唯一ソロで出演した小林祐介
曲目も今のこの時期に、そして個人的な心情にぴったりフィットするものばかりで
その意味でも堪らなかった久々のソロ
ちなみに彼のソロを観るのは実に3年ぶり(!)でした

「雨がこのままやまないなら 歩けないよ 溺れちゃうよ」ってフレーズに、
ソロで弾き語りで、しかも青暗い照明の演出も手伝って作られている哀愁溢れる作中観に思いっ切り感情移入しながら聴いていた前半、
まるでどこかの場末のバーで聴いているかのような趣溢れるステージングはとても印象的かつ心地良いものでした
途中、Travisの「Closer」の好カバーも交えながら、ソロでは定番の「最近あなたの暮らしはどう」なんかも実に聴き入ってしまう出来
正直「もうこれ以上」って感じる事も多いのでその意味でもこの曲のフレーズには気持ち助けられました
サビの心をくすぐるようなフレーズと歌声にも胸打たれつつ・・・
ソロで演奏するのに想像以上にハマってた「chernobyl」なんかもジワジワ来る出来栄えでとっても素敵だったなあ。

MCでさり気に笑いを取ってたりもしましたけれど(笑
ああいう良い意味でグダグダなのは昔のノーベンバーズのMCっぽいな~とかさり気にニヤニヤしつつ、
まるで誰かに花束を贈るかのような、そんなしっとりとしつつも心地良い空間が拡がっていたステージでした。良かった。



木下理樹

ダニー・ボーイ
君は今光の中に
Perfect Lovers
Sweet Sixteen
カノン
シャーロット
Call 4 u
バウムクーヘン
汚されたい
スカーレット




凄く曲順も曲数も曖昧なんですが、大体演ったのはこの辺かな
アートスクールからキリングボーイまで割と有名どころの曲を歌ってくれて兎角気持ち良かったな~っていうのが正直な感想なんですけど、
演奏自体に関しては途中でトチる場面があったり、ギターの電池が切れて、しかも替えのギターがなくて立ち往生してたり
ある意味らしいっちゃあらしいんですけど(←失礼な奴だ)、多少グダグダな部分もありました
シネマスタッフ辻友貴がセッティングしたギターにて(ここでも良い仕事っぷり)演奏再開、
最後にはレア曲(曲目失念)も演奏して最終的には和やかに気持ち良く終わったので結果としては良かったです

ただ、そんな事がどうでもよくなるくらいにカバー曲の「バウムクーヘン」がとても心に残りました
遠くへ行ってしまった大好きだった友人の歌~というニュアンスで歌われたと思うんですが(志村さんの歌ですね)
凄く一つ一つの言葉を丁寧に、感情を込めて、でもどこからどう聴いても木下理樹の歌にしか聴こえないその感じが素晴らしかったな、と思います
歌詞の内容も彼に、そして彼の音楽を熱心に聴くタイプのリスナーに合ってたな~って思うんですが
それは斯く言う自分も同じで、「でもね 何だか複雑なんです」「怖いのは否定される事 僕の心は臆病だな」辺りは、
もう今でも思い返すだけで感情移入してしまう出来栄えとフレーズで、しかも、木下理樹の心情吐露にも聴こえてしまう節もあったりして
勿論これは志村正彦の曲なんですけど、それでもなんか個人的にはそういう感じもしたんです
その「そういう感じ」が非常に堪らなかったのと
自分にも重なってしまって、
この曲は今まで自分が聴いて来たカバーの中でも随一に素晴らしいなあ。なんて思ってしまいました
正直この日この曲のこのカバーを聴いて自分ははっきりと、もっと「バウムクーヘン」を好きになれた感覚があります。
誰もが思ってるけど、弱みを見せるようで簡単には口に出来ない事をはっきりと歌ってくれる(自分にとって)尊い曲だな~、と。
特に自分はこの日初めて木下理樹によるこの曲のカバーを聴いたので、より深く鮮烈に沁み渡った感覚がありますね。
「でもね 何だか複雑なんです」
「怖いのは 否定されること」
全くだよ!
っていう。
それを木下理樹っていうフィルターを通して聴けた事が何よりも嬉しかった。
この日は五味さんが「フランジングサン」演ったり、木下さんが「バウムクーヘン」演ったり、そういうのが・・・「なんだかイイなぁ。」って
振り返ってしみじみと感じますね。


勿論、自前の曲も良かった。
前向きさ溢れる「君は今光の中に」には素直に胸打たれたし、
個人的に歌詞が大好きな(笑)「Sweet Sixteen」も歌ってくれて嬉しかった
感情剥き出しの「カノン」にも揺さぶられたし、メロディアスな「汚されたい」も心地良くて。
こうして聴いていると、どの曲もポップなんだなあ。ってふと感じたりもして、
図らずも“木下理樹の書くメロディはポップセンス溢れるものが多い”って事実の再確認も出来てそこも良かったですね。
伊東さんのギターも煌びやかに、しとやかに彼の歌とギターに寄り添ってる印象でとても恍惚的でした。
っていうか、先述のようにミスややらかしもあったんでその意味じゃ彼がずっと支えてたような感じでもありました。
 でも、久々に観た木下理樹もやっぱり素敵でした。友人の歌を丁寧に真剣に歌う様にもグッと来ました。
そういう訳で終始、心地良かったこのイベントもこれにて幕引き。
演者の皆さん、スタッフの皆さん、お客さん(突発的だったのにも関わらずソールドアウト!)、
どうもありがとうございました。
想像以上に心に残る夜に仕上がって個人的に胸いっぱいでしたね。















こういうお酒を飲みながらゆらゆらふらふら、気楽に観てそっと感動するような
アコースティックなイベントもこれはこれで良いなあ。なんて再確認
ちょっとアットホームな感覚なんかもあったりして(笑
バンドセットじゃなきゃ観ない!って方も機会があったらフラフラ遊びに行っては如何でしょうか。これはこれで味わいも、カタルシスも大きいので。
LOSTAGEもTHE NOVEMBERSも、ART-SCHOOLも大好きな自分にとっては堪らない夜でした。感謝!

ちなみに前日、茨城は水戸でcinema staffのライブを観てたので、何気に辻くん二夜連続で観た事になります(笑
それもなんか嬉しかったし、昼にセトリ送られて即座に覚えたっていう彼の腕前も堪能出来て二重に良かったですね。
ずっと覚えていたい夜の一つ、でした。