1.心のなかの悪魔
2.鍋の中のつみれ
3.ippo
4.チェリーパイ
5.evergreen
6.Hotel Evropa
7.ダンスミュージック
8.怒りのぶるうす
9.Giant Fish
10.さっきの女の子
11.人間通
12.Only You
13.Wonderful Life
14.Midnight Train(has gone)
15.ヘウレーカ!
ちょっと前、10年くらい前に出た「リルレロ」って曲を聴いて、
「お前は弱い 気にするからだ」みたいなフレーズがあったんです
それ聴いてて「ああ、めっちゃ良い曲だなあ。」って素直に思ったという出来事があったんですが、
そしたらNHKのラジオで今作の新曲「心のなかの悪魔」という曲が(フルで)流れたんです
その曲を聴いた時に・・・
純粋に「名曲だ・・・。」という想いに駆られたので、
久々にくるりのニューアルバムを購入したんです
いや、正確に言えば未発表曲集って事になるんですけど、
ただ内容的に言えば正直聴いた事ない楽曲が殆どなんでそういう意味じゃ実質ニューアルバムっすね
って、こういう事書いてるとどっちなんだよ!?とか思われそうなんですが(笑
まあでもかなり面白い楽曲が沢山詰まってる事は間違いないです。
その、「心のなかの悪魔」という曲に関しては、
最近・・・個人的な事ですが葛藤もする案件だったりするので・・・。
恐らく、タイトルも詞もくるりにはあんまりないくらいストレートなものだから
未発表とかになったのも分かるんですけど、ただもしこの曲がお蔵入りになってたら
ハッキリ言って音楽ファン的には大損でしょ、ってくらいすさまじく良い曲に感じるんですよね
決して派手な曲でもないし、メロディも歌声もドラマチックではなく淡々としている
歌詞の内容もタイトルが示す通り正直明るい内容ではない
けど、
この曲を聴いてると心が浄化される感じがするというか、
色々な事があって心が嵐のように荒んだ後に聴くと沁みる感じがするんですよね
アンニュイだけど、どこか美しくて、儚くて、でも、最後には何処か救われる感じもあって・・・
考えさせられる部分もあるし、
誰しも心の中に(ある程度は)モンスターを宿して生きているので、
そういうものの悲鳴が鳴り止まない時に聴くとかなり良い感じで聴けると思う
ラジオからこの曲が流れて来た時に、
一瞬で何かが変わる感じがした、というか、
所謂BGMにはなれない類の名曲で未だに衰えない創作の力を感じた新曲でした
まあこの曲自体は2009年の楽曲らしいんですが、よく発表してくれたな、と感謝の気持ちで一杯です。
君は僕の悪魔と戦い 手負い 泣いていた
どうか少しでも青空が 見えますように (心のなかの悪魔)
このアルバム自体は、
初期のオルタナティブロックの時代から打ち込みに傾倒してた時の音源、
10年くらい前の牧歌的な楽曲が多かった時期から最近のポップでカラフルな曲たちまで
時代を選ばない感じの楽曲群に仕上がっていて聴いてるとちょっとベストアルバムっぽい感じもします
未発表曲集とは言ってもsyrup16gとかナンバーガールのものとは違って、
本当にここ20年来の未発表曲たちが散らばってるので・・・
そりゃ統一感とかある訳ないんですが、
しかし、
逆にそれが新鮮だったというか、くるり自体アルバムの統一感が毎回強いバンドに感じてるので
統一感が全然感じられないのがむしろ作品としてのフレッシュな聴き心地に繋がってる気がしましたね
狙ってこういうの作るのは難しいと思うのでそういう意味では“最高の偶然の産物”と形容出来ます。
物凄く初期っぽい、
自分が聴き始めた頃のくるりっぽい「チェリーパイ」とかは流石に大好きですね
歌詞もあからさまにTHE男子!という感じで今のくるりには出せないテイストでしょう
でも当時の曲でも沁みる歌ものの「Only You」だったり、
物語性のある「Giant Fish」だったり結構ふり幅が広いのも面白い
この辺の曲はさよスト近辺のリリース曲とは雰囲気が合わないのでお蔵入りになったと推測しますが、
しかし逆に言えばそれだけで、楽曲としては素晴らしいので「見送られた曲」とはあまり感じません
打ち込み時期の佐藤さんの楽曲「ダンスミュージック」も生音と打ち込みのバランスが面白く、
多分他の曲よりも尖ってる感じがするからお蔵入りになったのかな?ってだけで、
こういう曲が入ってるのも楽しいし歴史が感じられて良い
かと思えば、
「怒りのぶるうす」「人間通」など衝動に任せた楽曲も入っていて、本作は15曲入ってるんですけど
正直聴いてて退屈する局面がないというか、1時間あるけど結構ツルっと聴けるのが素晴らしい
「人間通」に関して言えば、
これどこの層に向けて作ってんだろ?ってくらい変態的なロックナンバーに仕上がっていて(笑
ああ、こういう曲もあるのがくるりだよなあ。。という感じでそこもまた聴いてて面白かった
かと思えば、
比較的近年の楽曲である「evergreen」「Wonderful Life」に至っては
透明感のある歌声とビビッドなアレンジが気持ち良くて素直に良い気分になれるポップ・ミュージックだったり、
中々面白く・・・・・
そう!
今書いてて思ったんですが、
こう全曲振り返ってみると結構ベストアルバムっぽいと評したのもあながち間違ってない気がする、というか
くるりはこんなことやって来ましたよ~的な音楽絵巻にも仕上がってる感じもしたんですよね
だから、未発表曲集ですけど、意外にも入門編にも良い気がするのもまた秀逸な作品
先述のように、
クオリティの関係でお蔵入りになった感じがまったくしない、
恐らくその時その時の制作アルバムの雰囲気との兼ね合いで外れたんだろうな~って楽曲ばかりなので、
そういう意味合いでは本当ただの傑作選だなというか、最高のニューアルバムだったな、と思います
自分もそうですけど最近あんまりくるりの新譜聴いてなかったな、って人にも是非、という所です。
最後に、
以前にもベストアルバムのボーナストラックで収録されてた曲なんですが、
個人的に「さっきの女の子」という楽曲が昔から大好きです
この曲に関しては、
未発表曲っていうか・・・
今も昔も「なんでシングルで切らなかった!?」って正直に感じるくらい良い曲だと思ってます
冷静に分析するとストレートかつポップ過ぎるから~という理由なんじゃないかとか思いますけど、
ただ、ここまでキレッキレで軽快なロックンロールナンバーも早々無いですし、
歌詞の内容も「チェリーパイ」で垣間見せたTHE男子!なテイストを、
更に芸術的に情景も絡めて昇華させました!みたいな・・・まあ堪らんものに仕上がってるんですわ
何より日本のロックでここまで乾いた感じを音に落とし込めてるのもあんまない気がして、
そういう意味合いでも個人的に特におススメなくるりの楽曲の一つ、です
さっきの女の子かわいかったな
下らないことばっかり考えたいから (さっきの女の子)
このフレーズは、
かなり自分自身に近い・・・気がします。たぶん。