どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

木下順二作の民話

2013年01月06日 | 昔話(日本)

 大分昔になるが、「蛙昇天」や「審判」などの芝居を見たことがありました。「オットーと呼ばれる日本人」「子午線の祀り」などの戯曲があたまにあり、木下順二と民話というのが結びつきませんでした。
 
 少しまとめて昔話を読み始めて、そのなかで岩波少年文庫の木下順二作「わらしべ長者 日本民話選」を読んでみた。
 作者のことばに、民話の文体を求めて手さぐりするというこころみとあるが、全体的にソフトな感じで、会話の部分がとてもなじみやすく、擬態語の使い方がここちよく響く。

 料理のしかたで、これまでの昔話とちがった深い味わいを感じさせてた作品に魅かれた。コーヒーでいうと、ブラックではなくカフェオレといった感じ。
 
 これまで木下作品の語りを聞く機会にめぐまれていないが、どこかで企画されていたら、ぜひ聞きにいってみたい。