天国と地獄/ふしぎなオルガン/リヒャルト・レアンダー作 国松孝二訳/岩波少年文庫/1952年初版、2010年新装第一刷
映画にでてくるような題名ですが、創作です。
天国にいった金持ち。なんでも望みをかなえてあげるといわれて、美しくて大きな金のご殿、くる日もくる日もとびきり上等のごちそう、うんと楽な安楽椅子に、緑色の絹のねまき、下界のようすを知るための新聞、そして穴蔵という穴蔵に数えきれないほどのお金。こののぞみは、すべてがかなえられます。
ところが、一回、死んでいるので、二度と亡くなることはないという天国。 千年たっても同じ状態が続きます。
天国ではお金の使い道がありません。
新聞も知っている人間が誰もいなくなって、興味がなくなる。
おまけに、ご殿のなかは、どこも明るいのに、外は真っ暗闇。墓地に行ったように、しんとしています。
さらに千年たっても、この状態はかわりません。永久に続くといわれてがっくりする男に、ペテロがいうことには、お前さんは実は地獄にいるんだよ。今の地獄は、昔のように火は釜は、ないんだよと諭す。
天国と思ったところが、実は地獄なんだよというストーリー。この話には、貧乏人もからみ、さらに千年後のことも。
三千年があっという間にすぎるという童話ならではの話。
60年以上前に最初の訳がでていますが、グリムのお国らしい話であり、大人も楽しめます。