どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ぬすまれた月

2014年08月12日 | 絵本(日本)
ぬすまれた月  

     ぬすまれた月/和田 誠/岩崎書店/2006年初版


 
 満月、新月、月食、日食、そして、地球の海のみちひきと月の関係について自然に理解を深めることができます。

 面白いのは、泥棒が月を盗んだ男から、月を奪っていくところ。
  
 新月なので月がみえない。泥棒がすてていった箱から、三日月をみつけた女の人が竪琴をつくると、素敵な音がします。やがて竪琴が大きくなってだめになると女の人は海にすててしまいます。

 その月を飲み込んだ魚を、二つの国の二つ船が同時につりあげ、紛争がおきます。

 冷戦期に出版されたリニュアル版というので、当時の状況が反映されていますが、この状況は今もかわらず風刺がきいています。

 幾何学的な絵が、1ページにいくつか分割されて描かれていたり、黒が基調の背景も新鮮な感じです。