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とうもろこしおばあさん/絵:秋野 亥左牟 再話:秋野 和子/福音館書店/1982年初版
子どもの頃、読まれた方も多いようです。
狩猟を主として来たインディアンたちが、どうして、とうもろこしを手にしたかを伝えています。
村に、宿を求めてやってきたおばあさん。何軒もことわられ、とうとうアリゲーターいう村でこころよくむかえられます。
次の日、太陽が高く昇ったころ、いいにおいがしてきます。
おばあさんはこれまで見たこともないパンをもってテントからでてきて、子どもたちに食べさせます。
子どもたちの話をきいた酋長は、大人たちにも食べさせてくれるようおばあさんに頼みます。
酋長は、どこで手に入れたものか聞きますが、おばあさんは笑うばかりでこたえてくれません。
おばあさんをとめた若者は、おいしいものの正体をしりたいと思い、みんなが狩りや畑にいったとき、おばあさんのテントをこっそりとのぞきます。
すると、おばあさんは、自分の腿をかいて、そこからとうもろこしの粒がぽろぽろおちます。
その夜、若者は、あんなにおいしかったとうもろこしを食べることができません。それをみたおばあさんは、みられたことにきづきます。
次の日、おばあさんは若者を平原に連れていき、
枯草に火をつけさせ
髪をつかんで、灰の上をひきづりまわさせ
もやさせます
若者が、丸い月が3ど空に上ったころ平原にいくと、緑の草がつづき、とうもろこしの粒がびっしりとならんでいるのを見つけます。
ここにでてくるおばあさんは、髪の毛がながく、まるでとうもろこしの精霊。表紙のとうもろしもおばあさんそっくりです。
とうもろこしは、毛に特徴がありますが、その雰囲気がよくでています。
腿からとうもろこし・・・若者でなくともしり込みです。
若者が灰の上で、おばあさんの髪の毛を持ってひきずり、燃やしてしまうのは強烈な印象で、子どもたちがどううけとめるか気になるところですが、意外とすんなりとうけとめられているようです。
お話の世界というのがよくわかっているんですね。