<松谷みよ子おはなし集5/松谷みよ子・作 梅田俊作・絵/ポプラ社/2010年>
母親が亡くなるとき、頭に黒い木の鉢をかぶせたので、鉢かつぎ姫とよばれるようになった姫。
殿様が再婚した継母は、姫につらくあたり、悪口をいいたてるので、殿様は姫を外につきだしてしまいます。
鉢かつぎ姫が、このまま死んでしまおうと川にはいるが、頭の鉢がういて、体がしずみません。
別の国の殿様のところにいって、事情を聞かれても鉢かつぎ姫は、なにもしゃべりません。
しかし、かわいそうに思ったのか、殿様から火たきばんとしてつかわれることに。
この殿様には息子が七人いて、末の七男だけが未婚。
やがて、七男太郎は、お風呂で、鉢かつぎ姫から背中をながしてもらったときに、いつも真っ黒にすすけている鉢かつぎ姫の手が、すべすべと白くて美しいのにはっとします。
火たきばんのばんばとしかおもっていなかったのが、若い娘と気がついて、鉢かつぎ姫を忘れられなり、自分のよめは鉢かつぎときめます。
すると乳母がよめくらべの儀をすると、鉢を頭の上にのせた姿ででてこられないだろうと知恵をつけます。
よめくらべの一つは、三日のうちに衣装をひとそろい縫い上げること。
二つ目は、その衣装を着て、琴をひく。
三つめは、よめごのたからものくらべ。
鉢かつぎ姫は、衣装はうまくぬいあげます。
しかし、琴をひくところで、鉢をかついだ姿でよめくらべの席にはでられないと、書置きを残して、部屋をでるのですが、七男太郎はすぐに、鉢かつぎ姫を追いかけ、「おまえがでていくなら、おれも海こえても山こえても、どこまでも一緒にいく」といいはります。
鉢かつぎ姫がその気持ちがうれしくて泣き出し、わか殿も男泣きに涙をおとします。
その涙が、頭の鉢にかかると、鉢がおち、天女が雲のあいだからあらわれたような、まぶしいばかりの姫があらわれます。
方言がうまく取り入れられているのが特徴で、外国のものを訳したのとは、ちがった味がある話となっています。
この鉢かつぎ姫ですが、ぼたんもしゃくやくも追いつかね、天女か乙姫様か、五色の雲にのってまいおりたよう、へやんなかさ、ろうそく百本、どっとたいたようにあかるくなったと あります。
さらに、気立てはまっすぐだし心はやさしいし、声だってすずふるよう。
なにか比の打ちどころがない姫さまです。
母親が亡くなるとき、頭に黒い木の鉢をかぶせたので、鉢かつぎ姫とよばれるようになった姫。
殿様が再婚した継母は、姫につらくあたり、悪口をいいたてるので、殿様は姫を外につきだしてしまいます。
鉢かつぎ姫が、このまま死んでしまおうと川にはいるが、頭の鉢がういて、体がしずみません。
別の国の殿様のところにいって、事情を聞かれても鉢かつぎ姫は、なにもしゃべりません。
しかし、かわいそうに思ったのか、殿様から火たきばんとしてつかわれることに。
この殿様には息子が七人いて、末の七男だけが未婚。
やがて、七男太郎は、お風呂で、鉢かつぎ姫から背中をながしてもらったときに、いつも真っ黒にすすけている鉢かつぎ姫の手が、すべすべと白くて美しいのにはっとします。
火たきばんのばんばとしかおもっていなかったのが、若い娘と気がついて、鉢かつぎ姫を忘れられなり、自分のよめは鉢かつぎときめます。
すると乳母がよめくらべの儀をすると、鉢を頭の上にのせた姿ででてこられないだろうと知恵をつけます。
よめくらべの一つは、三日のうちに衣装をひとそろい縫い上げること。
二つ目は、その衣装を着て、琴をひく。
三つめは、よめごのたからものくらべ。
鉢かつぎ姫は、衣装はうまくぬいあげます。
しかし、琴をひくところで、鉢をかついだ姿でよめくらべの席にはでられないと、書置きを残して、部屋をでるのですが、七男太郎はすぐに、鉢かつぎ姫を追いかけ、「おまえがでていくなら、おれも海こえても山こえても、どこまでも一緒にいく」といいはります。
鉢かつぎ姫がその気持ちがうれしくて泣き出し、わか殿も男泣きに涙をおとします。
その涙が、頭の鉢にかかると、鉢がおち、天女が雲のあいだからあらわれたような、まぶしいばかりの姫があらわれます。
方言がうまく取り入れられているのが特徴で、外国のものを訳したのとは、ちがった味がある話となっています。
この鉢かつぎ姫ですが、ぼたんもしゃくやくも追いつかね、天女か乙姫様か、五色の雲にのってまいおりたよう、へやんなかさ、ろうそく百本、どっとたいたようにあかるくなったと あります。
さらに、気立てはまっすぐだし心はやさしいし、声だってすずふるよう。
なにか比の打ちどころがない姫さまです。