どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

かこさとし からだの本 3 むしばミュータンスのぼうけん 5 はしれますか・とべますか

2020年05月01日 | 絵本(日本)

    こさとし からだの本 3/むしばミュータンスのぼうけん/童心社/1976年

 

 かこさとしさんの絵本で一番印象に残っているものの一つです。

 子どもが小さいころ読んであげたものが手元にあり、あらためて読みました。

 何ページにもわたって歯が虫歯になっていく様子がじつにリアル。

 100人の子どもの歯はどうやらみんな虫歯だらけ。虫歯のない子を見つけるのも大変。

 ミュータンスが

  わたしたちの ために 歯を磨いたり しないように

  あまい おかしを むしゃむしゃ たべて わがまま いって 

  はやく むしばだらけに なって くれたまえ

 と よろこんでいるのを みたら きっと 子どもも なにくそ と ちゃんと 歯磨きをしてくれそうですよ。

 「歯磨きをしないと虫歯になるよ!」と 脅かすより よっぽど説得力があります。


 大人になって、歯を失って改めて考えさせてくれました。

 

   

   かこさとしからだのほん5 はしれますか・とべますか/かこさとし/童心社/1977年

 

みなさんは あるけますか?

とはじまり、あるくこと、はしることにふれて

はしったりするためには こどものとき、おにごっこや なわとびをなどをして ひろい ところで たのしく おもいきり あそぶことが やくだちます

と むすんでいます。

あるくでは

 あしが うちがわを むいて いては だめ

 そとがわを むいているのも だめ

 あるく はばが ひろすぎる

と ひとつひとつ ゆっくりと 語りかけるように 展開していきます。

走ることについては考えても、歩くことについては、あらためて考えることはないので、めからうろこが落ちる感じです。

子どもの外遊びが少なくなり、出かけるときも車が多くなっているいま、あらためて歩くことを 考えたいものです。