カエルもヒキガエルもうたえる/アーノルド・ローベル・作 エイドリアン・ローベル・彩色 アーサー・ビナード・訳/長崎出版/2010年
出版までの経緯があとがきに書かれていて興味深い。
アーノルド・ローベル(1933~1987)が生前に、絵本作家にプレゼントしたモノクロのオリジナル私家本に、娘で舞台美術家のエイドリアン・ローベルが彩色して出版されたもの。アメリカでの出版は2009年で、ローベルの死後23年。
アーサー・ビナードさんは、その土台に自然観察が息づいていることを挙げて自然界にいるカエルに思いを馳せて翻訳されたようだ。
わかくさいろのカエルと つちいろのヒキガエルの独り言のような短い詩のようなスト-リーが10編。ちょっぴり笑えたり、うなずいたり、びっくりしたりです。
・くいしんぼうの ヒキガエル
ごくごく ごっくん とたべる くいしんぼうの ヒキガエル。あまいものは べつばらさ と たべつづけます。
・カエルねえさんは おおいそがし
アップルパイをやいていたカエルねえさんが、「はやくたべたい」と まっているぼうやたちに『だいどころから でていきなさい! この ごちそうは だれにも あげない!」と、大声で叫び、全部自分で たいらげてしまいます。
・ぴったりの ひ
どんな ひでも はれの ひでも
どんな ひが やってきても
きっと だれかに ぴったりるんるんです。
”甘いものはべつばら”というのは、外国でもおなじなのでしょうか?