どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ちょっとだけ

2020年05月29日 | 絵本(日本)

    ちょっとだけ/瀧村有子・作 鈴木永子・絵/福音館書店/2007年(2005年初出)

 

 なっちゃんの おうちに あかちゃんが やってきました。

 お母さんは、あかちゃんをそだてるのが いっぱいになって ちょっと これまでと かわってきました。

 お買い物に行くとき、なっちゃんは おかあさんと 手をつなげません

  (なっちゃんは スカートを ちょっとだけつかんで あるきました)

 牛乳をついでもらおうとおもったら あかちゃんがなきはじめて・・

  (なっちゃんは はじめて 牛乳を ちょっとだけコップにいれることができました)

 パジャマのボタンを とめてもらおうと おもっても お母さんは あかちゃんを ねかせていました

  (なっちゃんは がんばって ちょっとだけ ボタンを とめることに 成功しました)

 髪の毛を 結んでもらおうとすると おかあさんは あかちゃんの おむつを とりかえていて

  (なっちゃんは 髪の毛を とめることに ちょっとだけ 成功しました)

 ひとりだけだと ブランコもうまくこげません

  (なっちゃんは がんばって ちょっとだけ ブランコを ゆらしました)

 おねえちゃんだから、おひるねしないとおもっても だんだん めがとじてきて・・

 おかあさんにちょっとだけだっこしてときくと おかあさんは やさしくわらって もういちど「ちょっとだけでなくて いっぱい だっこしたいんですけど いいですか」と ききます。もちろん なっちゃんも 「いいですよ!」にっこり笑って いいました。

 なっちゃんは あかちゃんに ちょっとだけ がまんしてもらい いっぱい だっこしてもらいました。

 

 あかちゃんがうまれると おにいちゃん おねえちゃんは、どうしても おかあさんから 距離をかんじてしまいます。でも なっちゃんは 健気です。ちょっとづつ ちょっとづつ ひとり立ちしていきます。

 「ちょっとだけでなくて いっぱい だっこしたいんですけど いいですか」というお母さんも 素敵です。なっちゃんの ちょっとだけ 頑張る姿も よくみえています。

 多くのお母さんから共感されています。二人目が生まれたお母さん、お父さんのプレゼントにもいいかもしれません。お母さんだけでなく、お父さんも ぎゅっとだっこしてほしいものです。

 作者は3人の子どもを持つお母さんで、はじめての絵本、絵を描かれた鈴木さんもはじめての絵本と紹介されていました。