らくごえほん ごんべいだぬき/川端 誠/KADOKAWA/2020年
タヌキが出てくると、威勢のいい若者が退治?にでかけ、逆にタヌキに化かされ、坊主にされてしまうというのが多い。
この絵本では逆で、ごんべいさんがカミソリでタヌキの頭をきれいに剃ってしまい、さらに、もうひとつオチが まっています。
タヌキがごんべいさんのところへやってきたのは、たえまない笑い声が聞こえてきたからでしょうか。その日は近所の若者があつまって、ごんべいさんの家で酒盛り。
集まりがお開きになって、ごんべいさんが寝ようとすると、ドン、ドンと戸を叩く音。「ははあ、たぬきだな」と気がついたごんべいさん、しっぽをつかんで、ぐるぐる巻き。
次の日、昨日のお礼に、若者たちが 畑仕事のでがけに、ごんべいさんの家によるとそこにはタヌキ。
「こりゃいい。今晩はたぬき汁だあ」「子だぬきは、肉がやわらかいぞ」「毛皮はオラがもらう」と、大盛りあがり。
しかし、ごんべいさん、そうもいくまいとカミソリをもちだし・・・。
タヌキがやってきたときの、ごんべいさんとのやりとりや、頭を剃るときのショリショリという音が絶妙です。
それにしてもなんともやさしい ごんべいさん。裏表紙のタヌキも必見です。