どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

月のうさぎとりゅうぐうの亀

2023年04月09日 | 絵本(日本)

  月のうさぎとりゅうぐうの亀/絵と文 田中 富美恵/書(文字)分須 尚太/企画制作/ トロロん家/2023年 うさぎどし

 

 図書館の新刊本コーナーにあったものですが、出版社も値段も表示されていないので、自家出版の絵本でしょうか。

 表紙を開くと 「月のうさぎと うらしまたろうの おとぎばなしがあって このおとぎばなしはできました。」とあり、すぐに物語の世界へ。

 月に住むうさぎが、地球のりゅうぐうというところに いってみようと、流れ星に乗って地球へ。ついた先は夢にまで見た海。りゅうぐうの亀にあって、海の底へ もぐっていくと、乙姫さまがでむかえてくれました。たのしい日々がすぎた後、はじめて月をみたうさぎは、月のあたたかい光が心にしみ、ぽろぽろ涙が ながれました。「かえりたい!」といううさぎに、乙姫さまがやさしく「きょう月から光のはしがおりてきます。それにのっていきなさい。うんよく 天女にあえたら羽衣につかまると はやく かえれるでしょ」といって、玉手箱のおみやげをくれました。かぐや姫の乗り物もむかえにきてくれました。かぐや姫とうさぎ、亀は おもちを いっしょにつきます。

 ある日、亀は はじめて地球の美しさに触れ、涙が あふれました。亀は、月のお餅を おみやげに 天の川を泳いで地球へかえりました。

 地球と月をいききし、自分の世界がいかに美しかったことに気がついた うさぎと亀。 それぞれ ちがって それぞれが 宝物だと 思いました。

 

 流れ星や天の川が月と地球をむすぶという素敵な発想。ほっこりする絵。カニやタコ、宇宙船らしきものが描かれていて、遊び心もいっぱい。