旅するわたしたち On the Move/ロマナ・ロマニーシン アンドリー・レシヴ・作/広松由希子・訳/ブロンズ新社/2023年
人類のふるさとアフリカからさまざまな理由で旅に出た人類
歩くのが疲れたら車輪(およそ6000年前)、自転車、馬車など乗り物に乗って
三蔵法師やクリストファー・コロンブス、さらにニール・アームストロング(月面におりたった)など さまざまな探検をした人物
船に乗って、飛行機に乗って、ときには、ホテルにとまって
地球で最も深い海溝にもぐり、世界のてっぺんのエベレストにのぼり、そして宇宙の先まで
コロシアムや万里の長城、ピラミッドなどの建造物
エルサレム、メッカ、ブッダガヤーなど巡礼者がめざした土地。
興味深いのは国境。アメリカのダービーラインとカナダのスタンステッドという町にまたがって、ハスケル図書館とオペラハウスが建っていて、床の上が国境線ということ。図書館の入り口はアメリカで、本があるのはカナダ側。オペラハウスの舞台はカナダで、観客席はアメリカ。
100万㎞も飛びながら、一生のほとんどを空中で過ごし、食べるときや眠るときも飛んでいるというヨーロッパアマツバメなどの鳥の移動、最長2万㎞も泳ぐといわれるクジラや、サケ、イワシ、マグロなどの移動も。
人間は地図もコンパスも手にいれたが、動物たちは そんなものがなくても移動する。
ひとつひとつが、一冊の本になってもおかしくない内容ばかり。入門書として見る絵本なのかも。
原著は2020年とつい最近。作者は、ウクライナの方です。