たのしいどうぶつ昔話 じょうずなわにのかぞえかた/マーガレット・メイオ・再話 エミリー・ボーラム・絵 竹下文子・訳/偕成社/1997年初版
アフリカの昔話といいます。
こうさぎが遊んでいるとゾウがやってきて、「さっさと道をあけないと、ふみつぶすぞ」と驚かせます。
こうさぎが川ぎしの道まで逃げてくると、今度はカバが、「じゃまだ、じゃまだ!さっさと道をあけないと、ふみつぶすぞ」と驚かせます。
こうさぎの話を聞いたかあさんうさぎが、小さい動物をおどかすなんて、ひとつこらしめてやらなくちゃ と綱をつくってゾウさんのところへ。
もううちの子どもたちをおどかさないでといっても、ゾウはすきなことをして何が悪いといって、とりあいません。
かあさんうさぎは綱引きをしたらどっちが強いかわかるからと、首に綱を結びます。
そして今度はカバさんのところにいって、同じようにカバの首に綱を結びつけます。
ゾウからもカバからもみえないところで「1,2の、3!」と合図すると、ゾウとカバは力いっぱい綱をひきます。ひきずったり、ひきずかれたり、なかなか勝負がつきません。
ころあいを見て、かあさんうさぎが綱の真ん中を切ると、ゾウもカバもどしん!、ばちゃん!としりもち。
かあさんうさぎが、うちの子どもを驚かさないでというと、へとへとになったゾウとカバは小さな声で、約束をします。
それからはゾウもカバも、こうさぎをみるとぎょうぎよく道をゆずるようになります。
誰かが傷つけられることもなく、おかあさんの子どもを思う気持ちがつたわってきて、ほほえましくなる昔話です。
かしこいカメのおはなし/フランチェスカ・マーティン・作 福本友美子・訳/ポプラ社/2000年
アフリカタンザニアの昔話。展開は偕成社版とほぼ同様です。
ウサギでなく、カメが いばりんぼのゾウとカバに綱引きをもちかけます。
ゾウとカバの綱引きの場面が、なんとも微笑ましい。
ゾウはカメのつま先に、力がかくれているとおもい、カバは甲羅の下かなと 首を かしげています。
でてくる動物のスワヒリ語も興味深い。ちなみにカメはコペ、ウサギはキシングラ、ネズミはパニャです。