ちいさな こえが みらいをかえる/作・アンドレア・バイティー 絵・デイヴィッド・ロバーツ 訳・かとうりつこ/絵本塾出版/2021年
ソフィアは八歳。おじいちゃんと、落ち葉を掃除したり、ペットを散歩させたり、ひきごもりがちなひとりぼっちのお年寄りの家に行ってお手伝いをしてまわります。
ある日、ソフィアはゴミの山で足をケガをしたおじいちゃんのために、ゴミを撤去して公園をつくることを思いつきます。さっそく、「ゴミおきばを てっきょして みんなの こうえんをつくろう」と、看板を立てると、いろんな意見があつまり、その声を 公園の地図に書き込みました。ところが、ご近所さんは、ソフィアが 公園を作ってくれると思っていたのです。
たったひとりで 公園なんか作れない! でも おじいちゃんに 背中を押され、市役所に行ったソフィア。役所をたらいまわしされ、「こどもには こうえんなんて つくれません。そう きまっていているんです。」といわれ、「もし、あなたが わたしだったら、そして、けがをしたのが あなたのおじいちゃんだったら、あなたは どうしますか?」と、係の人に訴え、みんなでたてた 計画や 計画がどうして必要なのか、まちのおとしよりや みんなのために じぶんたちにできることを、話しはじめます。
まちのひとたちの 賛成があつまったら 公園づくりをはじめようという市長のことばをうけ、ソフィアは町の人やクラスのみんな、先生の意見をあつめ、やがて 公園の建設が はじまります。
ソフィアに特別に勇気があったかではなく、どの子にも 思いもよらないほどの力があることを気づかせてくれる絵本。
それにしても、子どもだからと意見を聞こうとしない大人のなんと多いことか。そして気がついていながら、どうせかわらないからと 自分から行動をおこそうとしない大人へ 第一歩を踏み出せといっているようでもありました。