松谷みよ子おはなし集5/松谷みよ子・作 梅田俊作・絵/ポプラ社/2010年
ある長者の屋敷に夜な夜な化け物がでて、下の娘をのぞいて、みな食い殺されてしまう。そこで長者は化け物を退治したものを娘の婿とし、長者の跡継ぎにするという立札をたてる。
この立札をみて、三人兄弟の一番上の太郎がでかけていくが帰ってこない。次に次男の次郎ももどってこない。
三男の三郎が化け物を退治するが、血は床下の穴のなかまで流れている。三郎が穴の中にもっこでおりていくと、立派な屋敷のなかに、大きなクモがうめきながらもたくれている。
クモをずんと切りさげると、クモの腹の中から食われた兄がふたり、よろめいてでてくる。
ここにいた長者の姉むすめと二人の兄を、もっこにのせて上にあげるが、二人の兄はおそろしい心をおこし、綱を切って、三郎を穴の中からでられないようにしてしまう。
このあとの話は、多分こうなるだろうという話になっている。
このおはなし集5にのっている話は、いずれも昔話の形式をとっているが、まったくのオリジナルではなく、どこかで読んだり聞いたりするもの。
しかし再話や翻案とも言い難い。
創作昔話というジャンルがあるかどうかわからないが、こうしたところに位置づけられるかもしれない。
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