月の娘/リサ・W・ギルバート・作 フラヴィア・ウイードゥン・絵 ときありえ・訳/評論社/1996年
作者はアメリカの方、母と娘の作品です。日本の民話よりとありますが、しいていえば「かぐや姫」でしょうか。
森のはずれに住む農夫と奥さんは、心から子どもがほしいとねがっていました。
ある日、窓のむこうの光にむかっていくと、木々のあいだに女の子が一人いました。
「あなたたちが、ずっと子どもをほしがっていたから かあさんが あたしをここによこしたのよ。この人たちの子に おなりなさいって。あたしのかあさんは 月の女神なの」
それから三人は家族のようにくらしました。
月の娘は村じゅうの人に愛されます。何年かすぎ、月の娘は月の女神のもとにかえると、夫婦にきりだします。夫婦はいかないように頼みますが、月の娘が銀のしずくのような涙をこぼすと、涙に すきとおった羽がはえ 地上近くまでまいおり、チカチカまただきしたのです。それはたくさんのホタルにかわったのでした。
人物はうさぎそのもの。日本で月といえばうさぎを連想するのですが、外国ではどうでしょうか。幸せそうに暮らす三人が印象的ですが、日本の民話よりとありながらベッドや家具が西洋風というのも、外国の方の世界です。