どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

扇子女房

2017年11月03日 | 昔話(日本)

     語りつぎたい日本の昔話 浦島太郎/小澤むかしばなし大学再話研究会・再話 小澤俊夫・監修/小峰書店/2011年


 昔話から教えられることもさまざま。

 八面鬼人というまもの?がでてくる話。八面といいますから顔が8つあるのでしょうか。

 はじめて旅に出た父親が息子にかってきた土産が、扇子。父親は開かないで使いなさいという。
 暑い夏だったから息子が扇子を開くと、そこには美しいむすめの絵が。

 そのむすめにどうしても会いたいと、息子がむかったのが扇子屋。

 そのむすめというのは、殿さまのひとりむすめで、三つのとき八面鬼人にさらわれて行方不明といいます。

 鬼人が留守のとき、むすめにあった息子が、屋根裏部屋にかくれていると、鬼人はむすめを酒の肴にして食べて寝てしまいます。

 寝ているすきに息子は鬼人を倒し、国に帰る途中、橋の下で鳴いている赤ん坊を見つけ、一軒の家にしばらく預かってもらうことにし、家にかえります。

 すると父親はすぐに、赤ん坊をつれてくるようにいいます。
 あずけた家にいってみると赤ん坊は、もう17,8の美しい年ごろのむすめになっていて・・・。

 食べられたはずのむすめは、じつは信仰していた神さまが身代わりになっていたのです。

 扇子を買ってきながら、開かないでという父親は、なぜ扇子をお土産にしたかは不明ですが、とにかくめでたくむすめと結ばれるというのは、昔話らしい終わり方です。


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