だぶだぶ/なかの ひろたか:作・絵/福音館書店/1998年
1970年に「こどものとも」で発行され、「おさがり」「けんぼう」といういいかたにピンとこない方もいらっしゃるのは時代を感じさせます。
以前は、近所の子どもを「○○坊」と呼んだのは普通だったような気がしますが、子どもが少なくなり、人間関係も希薄になって、気安く呼べなくなってきたのでしょうか。
「おさがり」も、兄弟がいないと成り立たないし、男の子一人、女の子一人では、おさがりも難しそう。
けんぼうが、遊びに行こうとすると、寒いからと、おかあさんが、兄さんのおさがりの上着と帽子をもってきました。いやがるけんぼうでしたが、だぶだぶの上着と、だぶだぶの帽子で遊びに行きます。
だぶだぶの上着にもいいところがあって、ねこといぬとなかよしになり、だぶだぶのポケットにいれてあげます。
ハトは、帽子の中へいれてあげます。
森を探検しようと奥に入っていくと、あらわれたのはおおかみ。「こいつはごちそうだ、丸々太った 朝飯だ」とよろこぶおおかみ。
でも、はと、ねこ、いぬが、けんぼうを救ってくれます。
木によじ登ったけんぼうは、おおかみの上におっこち、しばらくしてきがつくと、おおかみは、もうどこにもいませんでした。
おおかみと女の子がでてくると「赤ずきん」。おおかみがでてこないと成り立たない話は多い。おおかみの絵も結構迫力があります。