いぬと ねこの おんがえし/日本民話 太田大八・絵/鈴木出版/2002年
ある長者の家にいた いぬとねこは、のんびりと すごしていました。
ある日、長者の家で働いていた男が、長者が大金持ちなのは、毎日蔵のなかの仏像に手をあわせているおかげだと思い、仏像を盗んで 逃げていきました。
仏像が盗まれてから、長者は何をしても失敗ばかり。だんだん貧乏になり、田も畑も手放し、残ったのは、いぬとねこだけになりました。
「どこかで いい人に かわれて 仲良く暮らしておくれ」といわれたいぬとねこは、とぼとぼと家を出ていきます。
二匹は、歩きながら相談しました。長者が貧乏になったのは、仏像を盗れたからにちがいない、おれたちで とろかえそうと、野をこえ、山をこえ、大きな川もわたって、とうとう男の家にたどりつきます。男は仏像のおかげで 大金持ちになっていました。
ねこが、その目で仏像が置いてある蔵をみつけ、長者のところにいたねずみの協力で、仏像を取り返した二匹。
とちゅう大きな川をわたるとき、いぬの背にねこがのり、ねこが仏像をくわえて 大きな川をわたりました。ところが大きなさかなが ジャポンとはねるのにおどろいたねこが 口をあけてしまい、仏像は川の中へ。しかし、そこへ長者のところによくきていた鶴のたすけで仏像を探し、二匹は、長者のもとへ。
仏像が戻った長者は、また大金持ちにもどります。
昔話絵本といえば太田大八さんや赤羽末吉さんです。だれの再話かを表示するのが普通ですが、この絵本では日本民話としています。再話とするほどでもなかったのかも。
類似の話では、仏像がうろこ玉というのが多いでしょうか。取り戻す流れも もう少し長めです。