どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

いぬと ねこの おんがえし

2022年05月05日 | 絵本(昔話・日本)

     いぬと ねこの おんがえし/日本民話 太田大八・絵/鈴木出版/2002年

 

 ある長者の家にいた いぬとねこは、のんびりと すごしていました。

 ある日、長者の家で働いていた男が、長者が大金持ちなのは、毎日蔵のなかの仏像に手をあわせているおかげだと思い、仏像を盗んで 逃げていきました。

 仏像が盗まれてから、長者は何をしても失敗ばかり。だんだん貧乏になり、田も畑も手放し、残ったのは、いぬとねこだけになりました。

 「どこかで いい人に かわれて 仲良く暮らしておくれ」といわれたいぬとねこは、とぼとぼと家を出ていきます。

 二匹は、歩きながら相談しました。長者が貧乏になったのは、仏像を盗れたからにちがいない、おれたちで とろかえそうと、野をこえ、山をこえ、大きな川もわたって、とうとう男の家にたどりつきます。男は仏像のおかげで 大金持ちになっていました。

 ねこが、その目で仏像が置いてある蔵をみつけ、長者のところにいたねずみの協力で、仏像を取り返した二匹。

 とちゅう大きな川をわたるとき、いぬの背にねこがのり、ねこが仏像をくわえて 大きな川をわたりました。ところが大きなさかなが ジャポンとはねるのにおどろいたねこが 口をあけてしまい、仏像は川の中へ。しかし、そこへ長者のところによくきていた鶴のたすけで仏像を探し、二匹は、長者のもとへ。

 仏像が戻った長者は、また大金持ちにもどります。


 昔話絵本といえば太田大八さんや赤羽末吉さんです。だれの再話かを表示するのが普通ですが、この絵本では日本民話としています。再話とするほどでもなかったのかも。

 類似の話では、仏像がうろこ玉というのが多いでしょうか。取り戻す流れも もう少し長めです。


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