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穏やかな日々を

夏休み後の登校、無理しないで 自殺防止へ団体呼びかけ

2017年09月01日 23時57分00秒 | 
夏休み後の登校、無理しないで 自殺防止へ団体呼びかけ
太田泉生 杉山麻里子 片山健志
2017年8月30日05時53分
日付別の18歳以下の自殺者数

 夏休み明けに増える子どもの自殺を防ごうと、不登校支援などに取り組む団体が居場所を開放したり、子どもや保護者からの相談を受け付けたりしている。25日には5団体が合同で緊急メッセージを発表。「つらい時、支えてくれる味方はここにいる」と呼びかける。
 「学校へ行きたくないあなたへ 味方はココにいます」と題した緊急メッセージを発表したのは、全国不登校新聞社など五つのNPO法人。「つらければ学校を休んで」と呼びかけ、相談先や学校以外の居場所の情報を提供している。
 「自殺だけでなく不登校が始まるのも、長期の休みが終わった時が多い。子どもに大きなストレスがかかっている」と不登校新聞の石井志昂(しこう)編集長(35)。「問題解決の兆しは見えないが、味方がいることを子どもたちに知ってもらえれば」
 同紙のサイトでは「9月1日がイヤだなって思ったら、自殺するより、もうちょっとだけ待っていてほしいの」という俳優の樹木希林さんのメッセージや、「いやなところからは、逃げよう、逃げて生き延びよう」という社会学者の上野千鶴子さんの言葉も並ぶ。
 「学校がつらくてもココがあるよ!プロジェクト」を展開するNPO法人「フリースクール全国ネットワーク」(東京、http://freeschoolnetwork.jp/)のサイトでは、8月下旬から9月にかけて居場所を無料で開放したり、電話相談を受け付けたりする全国のフリースクールを紹介している。
 いじめや嫌がらせを受けている子どもや保護者に向けて、「いますぐ役立つ脱出策」をサイトで紹介しているのは、NPO法人「ストップいじめ!ナビ」(東京、http://stopijime.jp/)だ。「いつ、どこで、だれから、何を言われたか、されたか」を書き込むメモや「いじめ発見チェックシート」を掲載。須永祐慈副代表(38)は「つらいのは9月1日だけではない。すべての子が楽しく暮らせる環境づくりを大人が広げていく必要がある」と話す。
 NPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」(東京、http://www.futoko-net.org/の事務局員で、子どもや親からの相談を30年近く受け続けている山口幸子さん(74)は、相談に対してアドバイスするのではなく、傾聴を心がけている。「話すことで気持ちが解放され、道が開けるかもしれません」
 全国で約3千の児童館が加盟する児童健全育成推進財団は、「がまんできないほどしんどくなる前に、児童館にいってみよう」などと、生きづらさを抱えた子どもたちにSNSなどを使って来館を促している。(太田泉生)
■母の「行かなくてもいい」に救われた
 「学校に行きたくない……」。東京都内に住む富山雅美さん(28)は、中学に入学してから同級生に無視されたり、「嫌い」と陰口を言われたりするようになり、初めてそう思った。
 次第に同級生の声を聞くのが怖くなり、「飛び降りたら楽になるのでは」と思うほどに。耐えきれず、夏休み直前に「もう学校には行かない」と母に話すと、「気持ちわかるから、行かなくてもいいよ」と言われて救われたという。
 9月1日から登校しなくなり、翌年からフリースクールへ。不登校の子どもたちが明るく過ごしているのを見て、「学校へ行けないことをマイナスにとらえなくていいんだ」と思えるようになった。不登校経験者らを受け入れる都立高校を経て大学で社会福祉を学び、今、私立中学校でスクールソーシャルワーカーとして働いている。
 「私も中学生の時、つらくて死にたいと思ったことがあるけど、今すごく充実している。必ず幸せだなと思える時が来ると思うので、一人で抱え込まず、大人を頼ってほしいです」(杉山麻里子)
■「子ども変化に注意を」文科省、学校に要請
 8月下旬から9月にかけての夏休み明けに子どもの自殺が増える傾向があることを踏まえ、文部科学省は小中高校などに、子どもの様子の変化を注意深く把握するなど自殺予防への積極的な取り組みを求めている。
 具体的には、子どもの心身の状況に変化がないか注意し、自殺の兆候が見られたら一部の教職員で抱え込まず、保護者や医療機関などと連携して組織的に対応する▽保護者に対し、子どもの悩みや変化を把握したら積極的に学校に相談するよう学校の窓口を周知する▽自殺をほのめかす書き込みがないか調べる都道府県教委などのネットパトロールは夏休み明け前後、頻度を上げて集中的に実施する――などを挙げている。
 内閣府が2年前、過去42年間の18歳以下の自殺者数を日別に集計した結果、最も多かったのは9月1日で131人だった。9月2日も94人、8月31日も92人で、夏休み明けは1学期の始まりの時期と並んで子どもの自殺が多かった。
 また、厚生労働省自殺対策推進室によると、昨年9月の小中高校生の自殺は33人で、1月、4月、11月の35人に次いで多かった。
 昨年改正された自殺対策基本法には、子どもの自殺予防策として、学校は「心の健康の保持」や強い心理的負担を受けたときの対処の仕方を身につける教育・啓発に努めるとの規定が盛り込まれた。これを受けて文科省が小中高校の啓発の実施状況を調べると、実施したのは全体の66・8%だった。文科省は不十分だとして、相談窓口の周知を含めたさらなる啓発をするよう呼びかけている。(片山健志)
■子ども向けの主な相談先
●24時間子供SOSダイヤル(0120・0・78310)……夜間や休日も含め、いじめやその他のSOSの相談を受け付ける。原則、電話をかけた場所の都道府県、政令指定都市教育委員会の相談機関につながる
●チャイルドライン(0120・99・7777、http://www.childline.or.jp/)……18歳までが対象で、月~土曜の午後4~9時。9月6日まではチャットでも相談可で、以降の日程はホームページで確認できる。NPO法人チャイルドライン支援センターが運営
●子どもの人権110番(0120・007・110)……祝日を除く月~金曜の午前8時半~午後5時15分。最寄りの法務局・地方法務局につながる
●子ども110番(http://www.kodomo110.jp/)……小学生~高校生が対象。通常はメールで相談を受けるが、9月9日までの午後4~9時はLINEで相談に応じる。ダイヤル・サービス社が運営
相談窓口
24時間こどもSOSダイヤル
0120-0-78310なやみ言おう
こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト)
http://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php
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チャイルドライン(外部サイト)
こころの健康相談統一ダイヤル(外部サイト)
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この店、万引きできちゃうな… 窃盗症女性、衝動が襲う

2017年09月01日 23時54分24秒 | 事故事件訴訟
この店、万引きできちゃうな… 窃盗症女性、衝動が襲う
三浦淳
2017年8月26日12時21分
万引きをした瞬間の心境を「理屈では説明できない」と話す50代の女性=渋川市赤城町北赤城山

 衝動を抑えられずに万引きなどの窃盗を繰り返す「クレプトマニア」(窃盗症)と呼ばれる精神疾患がある。群馬県渋川市の赤城高原ホスピタルは、その治療の先駆的な病院として全国的に知られている。再犯は防げるのか。病院の取り組みなどから考える。(三浦淳)
おせちも孫への贈り物も万引きで 「頭と体が違う感じ」
 頭に回路ができている――。万引きをやめられない埼玉県の50代女性は自らの「症状」をこう説明する。
 買い物に行くと、つい、確認してしまう。店員はどこか、防犯カメラは何台あるか。「万引きできちゃうな」という衝動が襲う。
 20代後半から万引きを繰り返した。結婚したばかりの2004年からは1年半ほど刑務所に服役した。
 出所後、「新婚生活を取り戻そう」と仕事を始め、家計を管理した。夫には、弁護士費用などで負担をかけた。食料費などを浮かせようと、スーパーやコンビニで食料品を万引きするようになった。
 見つかれば、土下座で許してもらった。夫から「おかしい」と言われ、自分も「誰かとめて」と思った。
 精神科に通った。多重人格、解離性健忘症……。病名は付いたが、症状は「ひどくない」と言われ、病院を10軒以上「たらい回しにされた」。だが、万引きはとまらなかった。
 8年前に逮捕され、留置場で自殺を図った。夫が調べて行き着いたのが、渋川市の赤城高原ホスピタルだった。クレプトマニア(窃盗症)と診断された。
 赤城高原ホスピタルの竹村道夫院長(72)によると、クレプトマニアは病的な常習窃盗を指す。経済的利益や「どうしても欲しい」という目的よりも、衝動が主な理由。国内の診断基準はあいまいだが、米国では1千人に3~6人が病気にかかっていて、女性と男性の比率は3対1程度という調査もあるという。
 ホスピタルと関連施設では08年以降、症状が疑われる1600人以上を診てきた。竹村院長は「酒や薬物の依存は物質依存だが、クレプトマニアは万引きという行為に依存する。負けるのにやめられないギャンブル依存症に近い。きっかけは失意体験や家庭問題などがある」と分析する。
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「20代で結婚」が最多 厚労省の中3意識調査

2017年09月01日 12時27分31秒 | 行政
「20代で結婚」が最多 厚労省の中3意識調査
2017年8月31日 (木)配信共同通信社

 厚生労働省は30日、昨年15歳(中学3年)になった子どもに「いつごろ結婚したいか」と尋ねると「20代」と答えた子どもが男子で41・9%、女子で60・2%に上り、一番多かったとする調査結果を発表した。
 調査は「21世紀出生児縦断調査」と呼ばれるもので、2001年生まれの子どもに毎年、質問を続けることで、本人や家庭環境の変化などを把握するのが目的。結婚意識に関する質問は過去にも実施しており、今回は、中学1年だった前々回調査でも同じ質問に回答していた約2万7千人の回答を集計した。
 中1時点の調査と比べ、「20代で結婚したい」と答えた子どもは、男子では8・7ポイント、女子では5・2ポイント上昇した。一方、「まだ考えていない」と答えた子どもは中1時点の39・6%から32・9%へと減少していた。
 厚労省の担当者は「大人になったことで、具体的に将来のことをイメージするようになったのではないか」としている。
 調査では最初に子どもを持つ時期に対する意識も尋ねた。中3男子の31・2%、女子の51・0%は20代のうちに子どもを持ちたいと答えた。


ぐらいは頑張ってね
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iPS移植サルの症状改善 パーキンソン病2年観察 京大、安全性も確認

2017年09月01日 12時26分19秒 | 医療情報
iPS移植サルの症状改善 パーキンソン病2年観察 京大、安全性も確認
2017年8月31日 (木)配信共同通信社

 人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から神経の元になる細胞を作ってパーキンソン病のサルの脳に移植し、最長2年間観察した結果、症状が改善し、腫瘍ができる異常も起きなかったと、京都大の高橋淳(たかはし・じゅん)教授のチームが30日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 チームは2018年度、患者に移植する治験を計画。霊長類で長期の解析結果が出たのは初めてで「有効性と安全性が確認できた」としている。
 パーキンソン病は脳の神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減り、手足の震えや体のこわばりなどが起こる難病。根本的な治療法はないため、他人のiPS細胞から作った細胞を移植し、神経を補おうとしている。
 チームは、神経の元になる細胞を人のiPS細胞から作り、パーキンソン病のカニクイザル8匹の脳に移植した。
 すると、手足の震えが改善して活発に動くようになる傾向が見られたほか、経過を最長2年間観察したところ、がん化する可能性のある腫瘍などができなかった。
 今回、パーキンソン病患者のiPS細胞から作った細胞と、健康な人から作った細胞をサルに移植し、同じような結果が得られ、健康な他人のiPS細胞を利用する予定のチームの手法に問題はないと判断。免疫抑制剤で、移植時の拒絶反応を抑えられることもサル同士の細胞の移植実験で確認した。
 チームは医師主導治験による移植手術を、18年度に京大病院の審査委員会や国に申請し、同病院で実施する予定。
 ※人工多能性幹細胞(iPS細胞)の応用
 体のさまざまな細胞に変化する能力があるiPS細胞は、病気やけがで失われた体の働きを人工的に補う再生医療への応用が期待されている。理化学研究所のチームは網膜の細胞を重い目の病気の患者に移植する臨床研究を実施した。他にもシート状の心筋細胞を作製し、重症心不全患者に移植して治療する計画などがある。薬の開発にも活用されている。
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米で新型がん免疫療法承認 小児の難治性白血病に 遺伝子改変で攻撃力増強

2017年09月01日 12時23分20秒 | 医療情報
米で新型がん免疫療法承認 小児の難治性白血病に 遺伝子改変で攻撃力増強
2017年8月31日 (木)配信共同通信社

 【ワシントン共同=浅見英一】米食品医薬品局(FDA)は30日、製薬大手ノバルティスが開発した、治療が難しい子どもの白血病患者に対する新型のがん免疫細胞療法を承認したと発表した。
 患者の免疫細胞に遺伝子操作を加え、がんへの攻撃力を増強する治療法で、効果の高さが注目されていた。広く実施が認められたものとしては、米国初の遺伝子治療となる。
 治療は小児や若者の急性リンパ性白血病の患者が対象。患者から取り出した免疫細胞のリンパ球に遺伝子操作を加え、がん細胞を見つけ攻撃する能力を高めた上で体内に戻す。
 FDAや米メディアによると、米国内で2015~16年に、再発患者や他の治療法で効果がなかった患者63人を対象に行った臨床試験では、3カ月以内に約8割に当たる52人の症状が大幅に改善した。一方で11人は死亡した。重篤な副作用が出ることがあり、FDAは副作用に対応できる病院でのみ治療をするように求めた。臨床試験には日本の医療機関も参加した。
 こうした治療法はキメラ抗原受容体T細胞(CAR―T)療法と呼ばれ、ノバルティスは「キムリア」と名付けた。1回の治療費は47万5千ドル(約5200万円)に設定された。
 米国では毎年、約3100人の20歳以下の小児や若者がこのタイプの白血病と診断されるという。
 CAR―T療法は他の血液がんや乳がんなどの固形がんの治療法としても世界で研究が進められている。
 国内ではノバルティスが急性リンパ性白血病の治療法として承認申請を準備中。タカラバイオ(滋賀県)も臨床試験(治験)を行っている。
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精神科病院での身体拘束を考える(2)【医療部発】

2017年09月01日 11時48分07秒 | 医療情報
精神科病院での身体拘束を考える(2)【医療部発】
2017年8月31日 (木)配信読売新聞

10年前から倍増した拘束件数
 精神科での隔離や身体拘束について調査・研究を続ける杏林大学保健学部の長谷川利夫教授は、手首、胴、足の拘束具を2時間近く身に着け、患者の気持ちを体験したことがありました。「医療者側は患者が暴れるのを防ぐために拘束するかもしれない。が、拘束されれば暴れたくなるのは、当然の心理。縛られる立場になって考えてほしい」と言います。
 厚生労働省の調査によると、精神科のある病院に入院する患者数は減少傾向にあるものの、身体拘束を受けている患者数は2014年6月30日時点で1万682人に上り、10年前の5242人から約2倍に急増しています。簡単に着けられる拘束具の普及や、精神科病院に入院する認知症患者の増加が影響しているとも言われますが、はっきりした原因はわかりません。厚労省は「調査中」としています。
1人当たりの拘束時間が長い
 拘束される患者の数だけでなく、患者1人あたりの拘束時間も問題です。長谷川さんが2015年に国内の11病院に実施した調査では、調査日に身体拘束を受けていた記録のある患者数は245人。いつから拘束されているかを遡って調べたところ、平均の日数は96日。拘束の方法は不明ですが、最も長い人は1096日にも及んでいました。
 2009年に発表された日本の論文によると、海外の精神科病院で患者1人あたりの平均拘束時間は、スイス48.7時間、フィンランドとドイツが9.6時間、米カリフォルニア州4時間との報告がありました。調査方法が違うために一概に比べられないかもしれませんが、それにしても日本の身体拘束時間は異常に長いことがわかります。患者にとって長時間の拘束は苦痛なだけでなく、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を起こす命の危険もあります。
 長谷川さんがフィンランドの精神科病院に視察に行った際、午前中に身体拘束をされることになった患者さんがいたのですが、その日のうちに病院内で解除できるかどうかの検討が始まっていたそうです。日本とは格段に対応のスピードが違うことに驚いたといいます。
背景に、「暴れるかもしれない」という推測?
 日本で患者さんやご家族の話を伺うと、同じような状態で入院しても病院によって対応が違うようで、すべての病院が長時間の身体拘束をしているとは限りません。ただ、混乱した症状もないのに「暴れそうだから」「暴れるかもしれないから」拘束されたという話も聞きます。長谷川さんは、この「かもしれない」という理由での「予防的な拘束」が日本では多いのではないかとみています。「国際的にも身体拘束は行われていますが、どうしても他に安全が確保できない場合に限って行われる、最後の手段。できるだけ短時間にとどめ、速やかに解除しています。日本でも本当に拘束が必要なのかどうかを厳しく精査し、件数や継続時間を減らすための努力が必要です」と話しています。 (館林牧子 読売新聞編集委員)
【略歴】
館林 牧子(たてばやし・まきこ)
2005年から医療部。高齢者の医療、小児科、産婦人科などを取材。趣味は育児。
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