肥満の改善薬開発に期待 原因酵素を特定
2017年9月15日 (金)配信共同通信社
脳の摂食中枢で働き、肥満の原因となる酵素を特定したと、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などの研究チームが14日発表した。この酵素は血糖値を下げるインスリンの働きも阻害しているといい、同研究所の野田昌晴(のだ・まさはる)教授(神経生物学)は「酵素の働きを抑制する薬が開発できれば、肥満と糖尿病を改善できる」と期待している。
チームによると、体内では、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンが摂食中枢に作用して食べる量を調整しているが、肥満の人では必ずしも食べる量が抑えられていない。レプチンが働きにくくなっているためだが、その仕組みは分かっていなかった。
チームは、摂食中枢にある神経細胞の表面で働き、さまざまな情報伝達に関わる酵素に着目。PTPRJという酵素の一種がレプチンの働きを抑えていることを見つけた。
正常なマウスとPTPRJを持たないマウスに14週間、高脂肪食を与えて肥満状態にさせた後、レプチンを1週間続けて投与。正常なマウスではほとんど変化がなかったが、PTPRJがないマウスでは食べる量が約半分になり、体重も約20%減った。レプチンの働きがPTPRJで阻害されなかったためとみられる。
2017年9月15日 (金)配信共同通信社
脳の摂食中枢で働き、肥満の原因となる酵素を特定したと、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などの研究チームが14日発表した。この酵素は血糖値を下げるインスリンの働きも阻害しているといい、同研究所の野田昌晴(のだ・まさはる)教授(神経生物学)は「酵素の働きを抑制する薬が開発できれば、肥満と糖尿病を改善できる」と期待している。
チームによると、体内では、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンが摂食中枢に作用して食べる量を調整しているが、肥満の人では必ずしも食べる量が抑えられていない。レプチンが働きにくくなっているためだが、その仕組みは分かっていなかった。
チームは、摂食中枢にある神経細胞の表面で働き、さまざまな情報伝達に関わる酵素に着目。PTPRJという酵素の一種がレプチンの働きを抑えていることを見つけた。
正常なマウスとPTPRJを持たないマウスに14週間、高脂肪食を与えて肥満状態にさせた後、レプチンを1週間続けて投与。正常なマウスではほとんど変化がなかったが、PTPRJがないマウスでは食べる量が約半分になり、体重も約20%減った。レプチンの働きがPTPRJで阻害されなかったためとみられる。