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NHKスペシャル「老衰死 穏やかな最期を迎えるには」【9月23日放送】

2017年09月22日 02時13分11秒 | 私自身や健康
NHKスペシャル「老衰死 穏やかな最期を迎えるには」【9月23日放送】
2015年9月24日 (木)配信Live on TV

2015年09月23日(水) 00時10分~01時00分/NHK総合
 いま老衰死についての研究が進んでいて、ある専門家によれば多くの人は最後の数日は痛みに苦しむことなく亡くなっているといえると答えた。今回は老衰死の謎についてお送りする。
特別養護老人ホーム 芦花ホーム
 東京・世田谷区にある特別養護老人ホーム芦花ホームを紹介。平均年齢90歳の高齢者100人が暮らしている。石飛幸三さんがここで医師をしている。老衰死は高齢者の人口とともに10年前から急増していて去年75000人と過去最高となった。石飛医師は我々の体はいずれ限界を迎え、治せないこともあるとコメントした。
 また、亡くなる前の人のほとんどが1週間前から食事を摂らなくなるという結果がわかった。2年前によく食べていた老人は、食べているにも関わらずだんだん体重が減るようになった。石飛医師は最後に向かう人が発する合図なのではないかと考えている。
 東京・世田谷区にある特別養護老人ホーム芦花ホームを紹介。平均年齢90歳の高齢者100人が暮らしている。石飛幸三さんがここで医師をしている。老衰死は高齢者の人口とともに10年前から急増していて去年75000人と過去最高となった。石飛医師は我々の体はいずれ限界を迎え、治せないこともあるとコメントした。また、亡くなる前の人のほとんどが1週間前から食事を摂らなくなるという結果がわかった。2年前によく食べていた老人は、食べているにも関わらずだんだん体重が減るようになった。石飛医師は最後に向かう人が発する合図なのではないかと考えている。
中村イトさんのその後
 芦花ホームで暮らす中村イトさんには老衰死が迫っていた。息子の孝さんは「無理して命を引き伸ばしてもかえってかわいそう」という理由で延命治療をしないことを決めた。食事を摂れなくなって一週間、孝さんに寄り添われながらイトさんは最後を迎えた。孝さんは「よくここまで頑張ったかなとほめてあげたい」と語った。
老衰死とは何なのか
 アメリカで行なわれた調査で日常生活動作や健康状態を調べた結果、老衰死はゆるやかに機能が低下し、死を迎えることがわかった。ジョセフ・シェガ博士は「老衰死とはさまざまなところが少しずつ悪くなっていくいわば無数の傷による死です」と語った。ニール・フェダーコ教授の研究で、老化した細胞の中で炎症性サイトカインという物質が作られ、周囲の細胞も老化が促され、慢性的な炎症状態を引き起こすことがわかった。
 これにより体の機能が低下していくとみられている。老化がもたらず炎症はインフラメイジングと呼ばれている。ニール・フェダーコ教授は「あわゆる臓器や細胞で変化が起き、慢性炎症によって正常な機能が維持できなくなります。それがどう死に関わっているのか私たちは答えを求めて点と点をつないでいるところです」と語った。アメリカ老年医学会は重度認知症の高齢者には経管栄養は勧められないと表明した。重度認知症には経管栄養による「生存期間の延長」「栄養状態の改善」「肺炎・感染症などの予防」にいずれも有効性が認められないことがわかったのだ。
老衰死への不安
 芦花ホームで暮らす井川榮子さんの息子、井川茂樹さんは話すことができなくなった母親が苦痛を抱えているのかが気がかりだった。泊まりこむようになった茂樹さんは毎朝、榮子さんに海外で暮らす孫の写真を見せるようになった。榮子さんの表情が穏やかになるような気がしたからだ。茂樹さんは「変な言い方ですけど、いま母親が一番平穏な状態だからということにすがっているというかそんな状態ですね。そう思い込もうとしている」と語った。
 オランダから発表された論文で死が近づくにつれて不快感が下がっていくことがわかった。エディンバラ大学のアラスダー・マクルーリッチ教授は死が迫った高齢者の脳は炎症や萎縮を起こし、機能が低下しているため、苦痛を感じることがなくなっていると指摘した。アラスダー・マクルーリッチ教授は「多くの人が最後の数日は痛みに苦しむことなく亡くなっていると言ってよいと思います」と語った。
家族 死への受け入れ
 芦花ホームで母・榮子さんを見守る井川茂樹さんは看護師に提案され、母が好きなバニラアイスを口につけてみた。すると榮子さんの表情に変化があり、家族に久々に笑顔が戻った。海外で働いている榮子さんの孫の真一さんが帰国し、榮子さんと面会した。数日後、榮子さんの呼吸は早くなり、石飛さんは死が近いことを茂樹さんに伝えた。
 榮子さんの最後を見届けた真一さんは「非常にやさしいおばあちゃんだったので、きれいに最後を迎えてくれて良かったです」と語った。茂樹さんは「やさしい母親だったので自然の中に終わっていったのはいかにもぴったしだった気がしますね」と語った。
“死の質”を高める
 欧米諸国では死を遠ざけるのではなく、死の質を高めることに注目が集まっている。死の質が一番高いとされるイギリスでは終末期ケアの研修会を行なうケリ・トーマス教授は「私たちは死を拒否し、まるで永遠に生き続けられるかのように思いがちです。死は負けだと考えますがそうではありません。安らかに死ねないことが負けなのです。死に向き合うことで人生は豊かになるのです」と語った。
 芦花ホームの七夕の短冊には「お寿司が食べたい」「どら焼をお腹いっぱい食べたい」「万馬券が当たりますように」などの願いが書かれていた。石飛幸三医師は「自然な最後というのが、どんなに穏やかなものかというのを、また一例教わった、また一例そうだった。そういうのを繰り返している。先に逝く人が見守る人に教えてくれていると思えばいいんだよね」と語った。
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