遺伝子検査ビジネス、「妊婦血液で父特定」10社…厚労省研究班調査
2017年12月29日 (金)配信読売新聞
将来的に病気にかかる可能性や太りやすさなどを判定する遺伝子検査ビジネスの実態を調べていた厚生労働省研究班は27日、妊婦の血液に含まれる胎児のDNAから父親を特定する親子鑑定を10社が実施していたなどとする調査結果を発表した。
結果次第で人工妊娠中絶につながる鑑定ビジネスが規制もなく広がる実態が浮き彫りになった。
遺伝子検査には多くの企業が参入しているが、検査の質が担保されない状況が懸念されたため、厚労省研究班が調査を実施。その一環として、インターネットで親子鑑定を宣伝している業者を調べたところ、少なくとも10社が、血液を調べる手軽な方法で親子鑑定を行っていた。
この親子鑑定は、母親の血液と、父親候補の血液や口腔内の粘膜などを採取して調べる。日本産科婦人科学会は2013年、法的な措置を除き、医療を目的としない出生前の親子鑑定に協力しないよう会員に求めている。
妊婦の血液で胎児が3種類の染色体の病気かどうか調べる新型出生前検査は、日本医学会が認定した医療機関に限定するなど厳格に運営されている。この親子鑑定は、新型出生前検査と同じ技術を使っていながら、何の規制もない状況。研究班代表の高田史男・北里大教授(臨床遺伝医学)は、「野放図に市場が拡大している」と危機感を示した。
遺伝子検査ビジネスの調査は、16~17年にインターネットで実施を宣伝している697社のうち、「現在実施している」と回答した73社の実態を分析した。
それによると、個人の遺伝情報の保護などを定めた経済産業省の指針を守っているとしたのは73社中41社(56%)。業界団体の自主規制ルールを守っているとしたのは、16社(22%)だった(いずれも複数回答)。7社(10%)は、どの指針にも従っていなかった。
2017年12月29日 (金)配信読売新聞
将来的に病気にかかる可能性や太りやすさなどを判定する遺伝子検査ビジネスの実態を調べていた厚生労働省研究班は27日、妊婦の血液に含まれる胎児のDNAから父親を特定する親子鑑定を10社が実施していたなどとする調査結果を発表した。
結果次第で人工妊娠中絶につながる鑑定ビジネスが規制もなく広がる実態が浮き彫りになった。
遺伝子検査には多くの企業が参入しているが、検査の質が担保されない状況が懸念されたため、厚労省研究班が調査を実施。その一環として、インターネットで親子鑑定を宣伝している業者を調べたところ、少なくとも10社が、血液を調べる手軽な方法で親子鑑定を行っていた。
この親子鑑定は、母親の血液と、父親候補の血液や口腔内の粘膜などを採取して調べる。日本産科婦人科学会は2013年、法的な措置を除き、医療を目的としない出生前の親子鑑定に協力しないよう会員に求めている。
妊婦の血液で胎児が3種類の染色体の病気かどうか調べる新型出生前検査は、日本医学会が認定した医療機関に限定するなど厳格に運営されている。この親子鑑定は、新型出生前検査と同じ技術を使っていながら、何の規制もない状況。研究班代表の高田史男・北里大教授(臨床遺伝医学)は、「野放図に市場が拡大している」と危機感を示した。
遺伝子検査ビジネスの調査は、16~17年にインターネットで実施を宣伝している697社のうち、「現在実施している」と回答した73社の実態を分析した。
それによると、個人の遺伝情報の保護などを定めた経済産業省の指針を守っているとしたのは73社中41社(56%)。業界団体の自主規制ルールを守っているとしたのは、16社(22%)だった(いずれも複数回答)。7社(10%)は、どの指針にも従っていなかった。