75歳以上の死亡事故2倍 交通白書、74歳以下に比べ 深刻さ裏付け、10代も
2019年6月21日 (金)配信共同通信社
政府は21日の閣議で、2019年版「交通安全白書」を決定した。75歳以上の高齢者が18年に起こした死亡事故は、運転免許証を保有する10万人当たりの換算で8・2件に上り、74歳以下の約2・4倍に達した。年代別に同じ換算で見ると、16~19歳が11・4件と最も多く、80歳以上が11・1件で続いた。高齢者の重大事故が問題化する中、データで深刻さが裏付けられた形だ。
30代の事故件数は運転免許証を保有する10万人当たりの換算で2・9件、40代は3・0件、50代は3・3件だった。
東京・池袋で乗用車が暴走し母子2人が死亡した事故などを踏まえ、白書は「高齢運転者の交通事故防止対策について」との特集記事を掲載。安全運転サポート車の普及促進や、高齢者が運転しなくても暮らせる環境づくりなどの取り組みを紹介した。「加齢による身体変化を技術や社会により助け、自立できる社会を目指すことが不可欠だ」と指摘した。
外国人観光客の増加に伴い、外国人ドライバーによる事故も増えている。レンタカーを利用した訪日外国人は17年に約140万人で、11年から約8倍に増加。レンタカー運転者が起こした事故のうち外国人によるものは18年に158件で、14年から2・3倍に増えた。
白書は20年東京五輪・パラリンピックを前に、訪日外国人に「左側通行」など日本の交通ルールを周知させる工夫が必要だと強調した。