失語症を磁気照射で改善 リハビリで脳を活性化 福井総合病院
2019年6月20日 (木)配信福井新聞
福井総合病院(福井県福井市江上町)は、脳卒中などで失語症になった患者のリハビリに、頭部に磁気を照射して脳を活性化させる特殊な装置を活用している。同病院などによると、この装置を使うとリハビリ効果が高まることが確認されており、今後も希望者への活用を促していく方針という。
失語症は脳卒中や交通事故、外傷などで大脳の言語中枢が損傷し「聞く・読む・話す・書く」ができなくなる言語機能全般の障害。人によって「聞く・読む」の理解度や、「話す・書く」の表現力に程度の差があり“見えない障害”ともいわれる。県内には数千人の失語症者がいるとみられている。
同病院は、脳卒中で手指にまひが残った患者向けに導入した「rTMS」(反復性経頭がい磁気刺激)装置を、失語症患者にも活用。MRIによる脳の立体画像を基に、障害のある大脳(言語中枢)の反対側周辺に磁気を照射する。健常者の場合、大脳半球の左右が互いに機能を抑制し合っているが、失語症の場合はその抑制バランスが崩れているため、健常な大脳半球に磁気を照射することで、障害側の言語中枢機能を間接的に活性化させる仕組みだ。
これまで患者6人に対する延べ13回のリハビリで、パソコンの画面上に次々と表示されるイラストや文字を声に出して表現する訓練に使ったところ、言葉が出るまでの速度や正答率がアップしたという。この効果は、同病院に併設する福井医療大の教員が学会で発表した。
対象となるのは軽症か中程度の失語症患者で、入院して約2週間行うリハビリの一環として1日2回、この装置を集中的に活用する。ただし、効果の持続性に個人差があるため、一定期間を空けて繰り返し行う場合もあるという。
福井医療大リハビリテーション学科・言語聴覚学専攻の高橋宣弘助教は「回復を実感した患者や家族の表情が明るくなり、心理面での効果も大きい」、同病院の小林康孝リハビリテーション科部長は「復職などを目指す失語症患者を支援していきたい」と話している。問い合わせは、福井総合クリニック(福井市新田塚1丁目)内の県高次脳機能障害支援センター=電話0776(21)1300。
2019年6月20日 (木)配信福井新聞
福井総合病院(福井県福井市江上町)は、脳卒中などで失語症になった患者のリハビリに、頭部に磁気を照射して脳を活性化させる特殊な装置を活用している。同病院などによると、この装置を使うとリハビリ効果が高まることが確認されており、今後も希望者への活用を促していく方針という。
失語症は脳卒中や交通事故、外傷などで大脳の言語中枢が損傷し「聞く・読む・話す・書く」ができなくなる言語機能全般の障害。人によって「聞く・読む」の理解度や、「話す・書く」の表現力に程度の差があり“見えない障害”ともいわれる。県内には数千人の失語症者がいるとみられている。
同病院は、脳卒中で手指にまひが残った患者向けに導入した「rTMS」(反復性経頭がい磁気刺激)装置を、失語症患者にも活用。MRIによる脳の立体画像を基に、障害のある大脳(言語中枢)の反対側周辺に磁気を照射する。健常者の場合、大脳半球の左右が互いに機能を抑制し合っているが、失語症の場合はその抑制バランスが崩れているため、健常な大脳半球に磁気を照射することで、障害側の言語中枢機能を間接的に活性化させる仕組みだ。
これまで患者6人に対する延べ13回のリハビリで、パソコンの画面上に次々と表示されるイラストや文字を声に出して表現する訓練に使ったところ、言葉が出るまでの速度や正答率がアップしたという。この効果は、同病院に併設する福井医療大の教員が学会で発表した。
対象となるのは軽症か中程度の失語症患者で、入院して約2週間行うリハビリの一環として1日2回、この装置を集中的に活用する。ただし、効果の持続性に個人差があるため、一定期間を空けて繰り返し行う場合もあるという。
福井医療大リハビリテーション学科・言語聴覚学専攻の高橋宣弘助教は「回復を実感した患者や家族の表情が明るくなり、心理面での効果も大きい」、同病院の小林康孝リハビリテーション科部長は「復職などを目指す失語症患者を支援していきたい」と話している。問い合わせは、福井総合クリニック(福井市新田塚1丁目)内の県高次脳機能障害支援センター=電話0776(21)1300。