埼玉は「下げ止まりどころかリバウンド」…昼カラオケで高齢者の感染急増
2021年3月13日 (土)配信読売新聞
新型コロナウイルス対策としての緊急事態宣言の再延長後も、埼玉県内では新規感染者数が100人を超える日が続いている。12日も155人に上り、大野知事は「下げ止まりどころか、リバウンド(再拡大)の状況を示している」と険しい表情で語った。県が懸念しているのが、カラオケを通じた感染拡大で、特に「昼カラオケ」での高齢者の感染が急増している。また、変異したウイルスの感染者も増えており、県は「この状況が続くと、21日での宣言解除は厳しい」との見方を強めている。
県内の1日あたりの感染者数は、宣言の再延長初日の8日は休日明けということもあり65人だったが、9日は106人、10日は135人、11日は126人、12日は155人と連日100人超に。6~12日の直近1週間の感染者数は824人と、前週(2月27日~3月5日)より135人増えた。
12日時点で病床使用率は40%を超えた。1人の感染者が何人にうつすかを示す指標で、1・0を超えると感染の拡大を意味する「実効再生産数」も1・136となり、感染が再拡大していることを示している。
最近は、スナックなどが夜間営業を自粛していることから、昼間にカラオケを楽しむ「昼カラオケ」で感染する高齢者が増えている。カラオケ由来の感染が疑われる人は、3月に入って12日までに28人に上り、死亡者もいた。知事は「カラオケ店では換気やマスク着用など、しっかりと対応してほしい。可能ならば1人で楽しむなど、感染状況が厳しい中での楽しみ方もあるはずだ」と呼びかけた。
変異ウイルスも懸念材料だ。県内ではこれまでに60人の変異ウイルス感染が判明している。知事は「感染のリバウンドに一定の役割を果たしている可能性も否定できない」と述べ、市中感染が広まっているとの認識を示した。
ただ、知事は「週末の不要不急の外出自粛を」と強調するのみで、「昼カラオケ」での感染防止のために飲食店の昼の営業も自粛要請の対象とするといった、新たな対策は現時点で示していない。