小中高生の自殺、過去最多 499人、コロナ影響か 全体も前年比増、09年以来
2020年の小中高生の自殺者数が統計のある1980年以降最多の499人に上ったことが16日、警察庁のまとめ(確定値)で分かった。前年比100人増。年代別では10、20代の増加が顕著で前年比522人増となった。全体の自殺者数は2万1081人。前年から912人増えた。前年を上回るのは09年以来となる。女性の自殺者増も目立ち、前年比935人増の7026人だった。
厚生労働省自殺対策推進室は「新型コロナウイルス禍で学校が長期休校したことや、外出自粛により家族で過ごす時間が増えた影響で、学業や進路、家族の不和などに悩む人が増加したとみられる」と指摘した。
小中高生の自殺者の内訳は、小学生14人(前年比6人増)、中学生146人(同34人増)、高校生339人(同60人増)だった。女子高校生が前年と比べて60人増と大幅に増えた。未成年の自殺者数は、777人(同118人増)に上った。原因・動機では、うつ病などの精神疾患や進路の悩み、学業不振が多かった。
全体の自殺者数のうち、男性は1万4055人(同23人減)。男性は11年連続で減ったが、女性は増加に転じた。女性が自殺を選んだ理由は、健康問題(4519人)、家庭問題(1292人)、経済・生活問題(425人)の順に多かった。
月別では7~12月に前年比で増加に転じ、最多は10月の2230人(前年比691人増)。著名人の自殺が影響した可能性も指摘されている。
都道府県別では、東京2231人(同124人増)、大阪1409人(同178人増)、神奈川1269人(同193人増)の順に多かった。
東日本大震災に関連した自殺者は5人で、前年より11人減。地域別では福島が3人、岩手と宮城がそれぞれ1人だった。