オミクロン株の疑いがある感染者を確認したと発表する島根県感染症対策室の田原研司室長=県庁
オミクロン株の疑いがある感染者を確認したと発表する島根県感染症対策室の田原研司室長=県庁

 島根県が28日、出雲市在住の7人が新型コロナウイルスに感染し、このうち3人は変異株「オミクロン株」の疑いが強いと発表した。30日午前に判明する見通しで、確定すれば県内で初の同株の確認となる。3人は海外渡航歴がなく、県は市中感染したとみており、今後100人規模の幅広い接触者調査を行う。県内での感染者の確認は25日ぶり。

 いずれも27日の検査で判明した。オミクロンが疑われる3人以外の4人についても今後、検体を変異株のスクリーニング検査にかける。7人の接触者は28日時点で約100人とみられ、このうち約30人が濃厚接触の可能性があるため、29日以降に県の宿泊療養施設に入り健康観察を受ける。

 7人はそれぞれ複数の場所で接触した形跡がある。海外渡航歴や渡航歴のある人との接触はない。1人は県外移動歴があるものの当時、滞在先でオミクロン株の感染者は確認されていなかった。7人のうち6人はワクチンを2回目接種済みで、残りの1人は未接種。年代、性別は非公表で、発熱や喉の痛みを訴えているものの軽症という。

 会見した県感染症対策室の田原研司室長は「今後さらに疑いのある人が増える可能性があり、幅広の検査による早期封じ込めに努める。症状がある人は早めの受診を心掛けてほしい」と述べた。

 28日午後4時時点で7人のうち6人が県内の医療機関に入院済みで、残る1人も今後入院する。即応病床(160床)に対する使用率は3・8%。県内の累計感染者数は1740人。

 一方、鳥取県は27日、26日の検査で新規感染者は確認されなかったと発表した。新規感染者ゼロは46日連続。累計感染者数は1669人。
     (佐々木一全)