Mars&Jupiter

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ジュール・マスネの歌劇「マノン」を聴く

2014-08-01 13:59:39 | 古典~現代音楽フランス編
昨日はウォーキングを休みました。
今回でフランス編は終わりにしたいと思う。
今回取り上げるのは、1842年生まれのマスネが、
1883年に作曲した歌劇「マノン」である。
アベ・プレヴォーの小説『マノン・レスコー』がもとになっている。
彼の略歴は以前述べたので省略する。
聴いたCDはマノン役ソプラノのイレアナ・コトルバス、
騎士デ・グリュー役、テノールのアルフレード・クラウス、
レスコー役、バリトンのジーノ・キリコ、
伯爵デ・グリュー役、バス・バリトンのヨセ・ファン・ダム、
ギヨー・ド・モルフォンテーヌ役、テノールのシャルル・ビュレル、
ド・ブレティニー役、バリトンのジャン=マリー・フレモー、
プセット役、ソプラノのギスレーヌ・ラファネル、
ジャヴォット役、ソプラノのコレット・アレオ=ルガ、
ロゼット役、メゾ・ソプラノのマルティーヌ・マエ、
亭主役、バリトンのジャック・ロロー、ミッシェル・プラッソン指揮、
トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団および合唱団の演奏による。

前奏曲は軽快でアメリカを思わせるような楽しそうな旋律で始まり、
続いて木管楽器による牧歌的な旋律が流れ、ロマンティックな感じになる。
そして行進曲風の旋律が現れたあと、チェロの独奏が奏でられるなどして幕があく。
第一幕はアミアンの宿屋が舞台で、ここにギヨーたちがいて、
亭主が食事を持って来るのが遅いのに苛立っている。
そこにレスコーとは修道院入りをすることになっていた妹のマノンがやってくる。
第一幕では「私はまだぼんやりして」というマノンのアリアが歌われる。
マノンの美しさにギヨーが目を奪われ、一緒に連れていこうとするが失敗する。
そこにいた騎士デ・グリューもマノンにみとれてパリに行こうと誘い、
マノンも同意をし、パリに逃れるまでが第一幕の話だが、
ロマンティックな音楽が二人の気持ちの高揚を表しているかのようだ。
最後は全体で盛り上がって終わる。
第二幕はヴィヴィアンヌ通りのアパルトマンが舞台となる。
前奏曲で始まり、流れるような旋律が奏でられていく。
その旋律に導かれて、騎士デ・グリューとマノンの歌に入る。
貧しくとも楽しい生活を送っていた彼らのもとに、
ブレティニーとレスコーがやってくる。
ブレティニーは贅沢な生活をしようと誘惑する。
その誘惑に負けたマノンは、デ・グリューとの別れを決意し、
「さよなら、さよなら、私たちの小さなテーブルよ」のアリアを歌う。
そして騎士デ・グリューはアリア「目を閉じれば(夢の歌)」を歌う。
この夢の歌は美しいアリアである。

第三幕第一場はレーヌ通りが舞台で、
間奏曲から始まるが、冒頭の前奏曲の旋律が奏でられる。
マノンは貴族ブレティニーの家で享楽的な生活をしている。
マノンは「私が女王様と同じように道を行けば」のアリアを歌う。
続けて歌う「彼等の声が、甘い恋に誘う時」は可愛らしい歌で、
ガヴォットであり優雅な感じでもある。
そして、デ・グリューの父の話からデ・グリューが神学校に入ったことを知る。
第一場の終わりには木管楽器が活躍するバレエの音楽が入る。
第三幕第二場はサン・シュルピス神学校の広場が舞台で、
信仰に身を捧げることでマノンのことを忘れようとするデ・グリューが、
苦悩する様子が描かれていくが、冒頭は教会を思わせる重厚な音楽で始まる。
「ああ消えされ! 私の魂に残るいとおしくやさしい面影よ」!のアリアが、
デ・グリューによりドラマティックに歌われ、オルガンの音も絡んでいく。
そこでマノンが登場し、「あなたのその手をしっかり抑えていたのは、
私のこの手ではなかったでしょうか?」の歌を歌うと、
頑なであったデ・グリューの心も溶け、マノンと再び生活することになる。

第四幕はホテル・トランシルヴァニアが舞台である。
荒々しい感じで、この先何が起きるか不安を感じさせる音楽で始まる。
再びマノンと生活するようになったデ・グリューだが、
生活が苦しくなった彼にマノンは賭博で儲けることをすすめる。
しぶしぶ従う彼は、ギヨーと賭博で勝負して勝つが、
いかさまだというギヨーに腹を立てて争いになるが、
警察が入り、マノンとデ・グリューは逮捕される。
その最後のあたりは悲劇的で壮絶な感じの音楽となって終わる。
第五幕はル・アーヴルの路上にてで、港が舞台となる。
デ・グリューは父の力で釈放となり、マノンはアメリカに流刑となる。
「マノン!かわいそうなマノン!」と歌うデ・グリューの歌で始まる。
レスコーとデ・グリューはマノンを救い出そうとするが、
マノンは衰弱しきっており、彼の腕の中で息絶えるという結末であるが、
二人の歌が甘美であり、ロマンティックで、最後は盛り上がって終わる。

なお、今回までとりあげたフランス編のCD等の情報は、
以下のアドレスのフランスのところにNEWで示してあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/ongaku-kenkyu.html#cd_music
参考にしていただければ幸いです。
コメント
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