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アウリス・サッリネンの交響曲第7番作品71「ガンダルフの夢」を聴く

2022-08-15 09:37:51 | 古典~現代音楽フィンランド編
昨日はテレビで今年のヴァルトビューネを聴きました。
ゲルシュタインのピアノによるラフマニノフの、
ピアノ協奏曲第2番ももちろん良かったのですが、
ペトレンコの指揮によるムソルグスキー作曲、
ラヴェル編曲の組曲「展覧会の絵」は特に良かったです。
今のウクライナ情勢と重ね合わせて聴いてしまうからか、
不思議で新鮮な感覚で聴くことができ、
この作品の良さを十分に引き立たせる演奏でした。
特に「ブイドロ」のところの盛り上がりの部分や
「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」の
二つの旋律の掛け合いのところが素晴らしかった。

さて、今回は1935年生まれのフィンランドの作曲家、
サッリネンが1995年から1996年にかけて作曲した、
交響曲第7番作品71「ガンダルフの夢」を取り上げる。
今回聴いたCDの演奏は、アリ・ラシライネン指揮、
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団である。
この作品はロード・オブ・ザ・リングとの関連性があるようだ。
作曲家はこの小説に基づくバレエ作品の構想をもっていたようだ。
その作品の実現はされなかったようだが、
交響曲第7番の副題が「ガンダルフの夢」であるように、
この小説の中の出来事をもとに描写した交響曲であるようだ。
金管楽器と打楽器により重々しく始まる。
弦楽器はせわしないような音型の旋律を奏でていき、
冒頭から不安な感じが続いていく。
そのあと金管楽器によるファンファーレ風の音楽が現れ、
弦楽器による静かな音楽になり、神秘的な雰囲気にもなる。
小太鼓など打楽器と金管楽器の強烈なリズムなどにより、
音楽は徐々に荒々しくなり、木管楽器を中心とした旋律や、
弦楽器の奏でる旋律はファンタジーの世界へと誘う。
その後はフルートの印象ある音型や、北欧らしい音楽、
ブルックナーを思わせる金管楽器のファンファーレ的な音楽が続く。
そして打楽器と金管楽器による力強い音楽となり、
強烈なリズムが刻まれていき、ドラマティックである。
そのあと弦楽器中心の音楽になり、打楽器やチェレスタとの絡んでいき、
最後はチェレスタの音が残り神秘的な感じで終わる。

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