温泉クンの旅日記

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記憶の湖(うみ)

2012-09-28 | 俳句、なぁーんちゃって
  <記憶の湖(うみ)>

 頭のどこかに記憶の湖があって、
 水中に無数の、大きさの違う想い出のふんわりとした丸い球が
 毬藻のようにゆらゆらと浮遊している。
 どうかすると水面(みなも)にさざなみがたって、ぽかりと浮かびあがる。
 
 嬉しいことに、浮かびあがるのはなぜか楽しかったことばかりだ。
 思わず顔をほころばすようなこととか、胸が温かくなるようなあれやこれやである。

  微笑みの 広がるように さざなみが



 厭な記憶は湖底に積もった泥に深く埋まっているのだろう。
 もしかしたらわたしの無意識が、
 浮かびあがらぬように錘でもつけて沈めたのかもしれない。

 だから、とんでもない嵐がこないかぎりは浮かぶことはない。
 あるいは、おせっかいで好奇心が強い他人が、ぐるぐるとひっ掻き回さないかぎり。

  あのころの 記憶水面に 浮きあがり




   →「飯山北竜湖温泉」の記事はこちら

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