温泉クンの旅日記

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南紀勝浦温泉、忘帰洞の宿(4)

2022-02-06 | 温泉エッセイ
  <南紀勝浦温泉、忘帰洞の宿(4)>

 温泉好きであれば、まさに“狂喜乱舞”といった態に陥る宿ではあるが・・・。

 日常を忘れ、ひととき心躍らせてくれるのが<旅>の醍醐味であり、効用というもの。が、暇と金はさておき、旅には、それなりの気力と多少の体力(健脚)が必要である。
 車を横付けできる観光名所など少なく、たいていは階段だったり坂だったりの昇り降りがあるのだ。
 それでも宿に到着すれば解放されるものだが、ホテル浦島みたいに館内移動にこれほど脚力が必要な宿は珍しい。

 

 本館と日昇館となぎさ館を繋ぐ長い長い廊下。日昇館のフロントのそばに、折り畳みの車椅子が何台か備えてあるのも頷ける。

 

 山上館から忘帰洞までの長い廊下。忘帰洞からさらに玄武洞に行くには日昇館への長い廊下を通らねばならない。

「なにしろ小学高か中学校のころの話だからねぇ、船で行くホテルだったなあ。なんか部屋から温泉まで恐ろしく歩いた記憶があるよハハハ」
 と、和歌山駅前「多田屋」で隣に坐った“串カツ”さんが言った謎のような言葉の意味がよくわかった。

 ホテル浦島には源泉が十本、湧出量も一日に百二十五トンもあることから、すべての湯船は掛け流しである。
 ただし本館の「忘帰洞」、日昇館の「玄武洞」と「磯の湯」は男湯と女湯がそれぞれあるが、本館にあるあとのふたつ「ハマユウの湯」と「滝の湯」は時間で男湯だったり女湯だったりする。だから、空振りにならぬような移動を心がける必要があるのである。

 温泉に入りまくったので、珍しく少しばかりの酒で熟睡してしまった。
 早朝の忘帰洞は男湯と女湯が入れ替わっていた。昨日の男湯と違って、中くらいの露天風呂状の湯船が、まるで池塘のようにいくつもあった。

 

 

 それぞれの湯船に早起き客がわんさと入浴していて、今回は外からの景色の撮影しかできなかった。
 そういえば、早朝出発のため着替えてしまい行けなかったが、玄武洞からは日の出が見られるという。

 

 

 最後に、食事のことを付記しておく。
 食事会場は一階レストランで、二食ともわたしの苦手なマスクと使い捨て手袋強制着用した、”鑑識官勢ぞろいの県大会”みたいなスタイルでのバイキングであった。宿泊料金の安いせいなのか、楽しみにしていたマグロの解体ショーはなかった。
 夕食は行列のない料理だけを選んで、つまみの刺身代わりに海老とイカとマグロの握り、牡蠣フライ、ローストビーフ、梅干、ラッキョなどで焼酎水割りを二杯、最後にカレーライスで締めた。
 朝はトーストが食べたかったが残念ながらなくて、ロールパンとクロワッサンみたいなのとコーヒーで軽くすませた。なに、わたしは食より温泉が優先なので、文句はないのである。

 

 団体に紛れ込み、早朝の船で出発した。できればチェックアウトぎりぎりまで滞在したいが、陸の孤島の和歌山では次の目的地への移動が大変なのである。

 

 そういえば山の上に「狼煙山遊園」という展望台があるそうだが、温泉巡りだけでもう手いっぱいで行けなかった。
 船着き場の奥には釣りコーナーもあると知り、行ってみたが誰もいなかった。朝と夕が営業時間だそうだ。

 

 千円で釣りセットを貸してくれ、鯵、鰯、キス、クエ、グレ、チヌなどが釣れる。連泊するなら格好の暇潰しになりそうである。

 本館、日昇館、なぎさ館、それに山の上に建つ山上館。岬のすべてがホテルに改造されているようで、なんでも三千人を収容できる超巨大な温泉ホテルなのだ。

 
 
 二時前にフライングでチェックインしたお陰で、とにかく大好物の“温泉巡り”を堪能できた。
 船での送迎だということで腰が引け敬遠してしまったが、なに宮島への渡りより近かったのだった。やっぱり竜宮城への行き来は舟に限るね。
 どえらい月日がかかったが結局、忘帰洞に出逢えた。結果オーライ、大満足である。



   →「和歌山駅前、朝から呑める老舗酒場」の記事はこちら
   →「南紀勝浦温泉、忘帰洞の宿(1)」の記事はこちら
   →「南紀勝浦温泉、忘帰洞の宿(2)」の記事はこちら
   →「南紀勝浦温泉、忘帰洞の宿(3)」の記事はこちら


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