<奈良・三輪、大神神社 (1)>
朝の奈良駅・・・。
(こっち側にもないようだな。まあ、あきらめるとするか・・・)
喫煙者に厳しそうな京都駅でも、その気で探せば構内とすぐ外に九カ所くらい設置してある喫煙所だが、奈良駅ではどうしてもみつけることができなかった。
JR「万葉まほろば線」王寺行きの電車がホームに入線してきた。
奈良駅から、和歌山線に接続する大和高田市の高田駅までを結ぶ鉄道路線である「桜井線」は、2010年から「万葉まほろば線」という愛称がもっぱら使用されている。
これに乗って、奈良から三輪まで行くつもりである。所要時間は24分、ごく短い旅路だ。
奈良駅を出ると、難読な名前だが妙に記憶に残りそうな名の駅がしばらく続く。
まずは、京(平城京)の果て(終わるところ)に由来する「京終(きょうばて)駅」。
次に「帯解(おびとけ)駅」、これも難読で、いかにも艶っぽいけど違う。安産と求子(ぐし=子授け)の帯解寺に由来し、「出産後に腹帯を解く」からくるそうだ。
続いて「櫟本(いちのもと)駅」。どんぐりが生る櫟(くぬぎ)の木があって起った名か、または櫟の木の下に井があって名づけられた地名に由来するそうだ。
そして次の「天理駅」から「三輪駅」までは、ようやく安心できる普通っぽい駅名に変わった。
JR三輪駅は無人の駅であった。ICカード専用の自動改札口を使って駅を出て、駅舎内を見回すがコインロッカーは見当たらなかった。ザックは預けられない、背負ったままということでこれはしょうがない。
歩きだしてすぐのところにあった、肉屋さんの店先でコロッケを揚げている。
いったん通り過ぎたのだが、いい匂いを振りまく揚げたてのコロッケの魔力に抗しきれず、引き返し、1個買い求めてしまった。100円也。
(やっぱり、揚げたてはうまいなあ・・・)
ソースなど付けなくても、揚げたてのホクホクで充分うまい。思わず、戻ってメンチも買いたくなるほどだ。看板メニューの「ミワコロッケ」は、大和牛や国産じゃがいもを使ったタネを、細かく砕いた三輪そうめんで包み込み揚げている。
歩き食いなど、久しぶりで恥ずかしい。ちょっと寄り道をしていくことにした。
肉屋前から歩きだし、左に折れたすぐのところに見つけた「三輪坐恵比須神社(みわざえびすじんじゃ)」。食べおわって、口元をハンカチで拭い、紙袋をきちんとたたんで鞄にしまい、鳥居をくぐる。
三輪の<えべっさん>は、「言霊の神 詫宣を司る神」として御利益高く、遠方からも願いを届けようと多くの方が参拝におとずれるという、福運のえびす神を祀っている神社だ。
他に誰もいない静かな神社で、心を落ち着かせ、参拝する。
さてと、そろそろ目的の「大神(おおみわ)神社」に向かうとしよう。
― 続く ―
朝の奈良駅・・・。
(こっち側にもないようだな。まあ、あきらめるとするか・・・)
喫煙者に厳しそうな京都駅でも、その気で探せば構内とすぐ外に九カ所くらい設置してある喫煙所だが、奈良駅ではどうしてもみつけることができなかった。
JR「万葉まほろば線」王寺行きの電車がホームに入線してきた。
奈良駅から、和歌山線に接続する大和高田市の高田駅までを結ぶ鉄道路線である「桜井線」は、2010年から「万葉まほろば線」という愛称がもっぱら使用されている。
これに乗って、奈良から三輪まで行くつもりである。所要時間は24分、ごく短い旅路だ。
奈良駅を出ると、難読な名前だが妙に記憶に残りそうな名の駅がしばらく続く。
まずは、京(平城京)の果て(終わるところ)に由来する「京終(きょうばて)駅」。
次に「帯解(おびとけ)駅」、これも難読で、いかにも艶っぽいけど違う。安産と求子(ぐし=子授け)の帯解寺に由来し、「出産後に腹帯を解く」からくるそうだ。
続いて「櫟本(いちのもと)駅」。どんぐりが生る櫟(くぬぎ)の木があって起った名か、または櫟の木の下に井があって名づけられた地名に由来するそうだ。
そして次の「天理駅」から「三輪駅」までは、ようやく安心できる普通っぽい駅名に変わった。
JR三輪駅は無人の駅であった。ICカード専用の自動改札口を使って駅を出て、駅舎内を見回すがコインロッカーは見当たらなかった。ザックは預けられない、背負ったままということでこれはしょうがない。
歩きだしてすぐのところにあった、肉屋さんの店先でコロッケを揚げている。
いったん通り過ぎたのだが、いい匂いを振りまく揚げたてのコロッケの魔力に抗しきれず、引き返し、1個買い求めてしまった。100円也。
(やっぱり、揚げたてはうまいなあ・・・)
ソースなど付けなくても、揚げたてのホクホクで充分うまい。思わず、戻ってメンチも買いたくなるほどだ。看板メニューの「ミワコロッケ」は、大和牛や国産じゃがいもを使ったタネを、細かく砕いた三輪そうめんで包み込み揚げている。
歩き食いなど、久しぶりで恥ずかしい。ちょっと寄り道をしていくことにした。
肉屋前から歩きだし、左に折れたすぐのところに見つけた「三輪坐恵比須神社(みわざえびすじんじゃ)」。食べおわって、口元をハンカチで拭い、紙袋をきちんとたたんで鞄にしまい、鳥居をくぐる。
三輪の<えべっさん>は、「言霊の神 詫宣を司る神」として御利益高く、遠方からも願いを届けようと多くの方が参拝におとずれるという、福運のえびす神を祀っている神社だ。
他に誰もいない静かな神社で、心を落ち着かせ、参拝する。
さてと、そろそろ目的の「大神(おおみわ)神社」に向かうとしよう。
― 続く ―
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