たそがれマイ・ラブ
夕張出身のシンガー大橋純子の言わずとしれた名曲。
1978年の作品で、作詞阿久悠、作曲筒美京平。
この両氏も言わずとしれたヒットメーカー。
共作は「また逢う日まで」、「シンデレラ・ハネムーン」など。
編曲のルートをたどるベースの単調な感じや弦楽器、管楽器を多用する感じなど、昭和のムード歌謡の雰囲気を纏ってはいるが、今聞いても圧倒的な歌唱力で色褪せることはない。
11月の訃報から何度もこの曲を聞いているが、いい曲だとしみじみ思う。
歌詞中、感心する言い回し個人的ベスト3。
第3位
「夕立ちが白い稲妻つれて悲しみ色の日暮れにして行った」
悲しみ色って言葉、こんな擬人法はどうやって思いつくのだろう。
急に雨が降ってきて一転暗くなる様子を自らの心情と重ね暗喩する。不安げな心情がありありと思い浮かぶ。
第2位
「凍える手でひろげて読む手紙の文字が赤く燃えて 私はもうあなたの背にもたれかかる夢を見てる」
文字が赤く燃える、とは自分なら全く思いつかない表現。
私はもう夢をみてるの「もう」が大きなアクセントになっていて、手紙を読みながら自然とあなたを思い浮かべてしまう様子がありのままに伝わってくる。
第1位
「引き裂かれ愛は欠片になって それでも胸で熱さをなくさない」
それでも胸で熱さをなくさない、サビ前のこのフレーズがとても耳に残る。
胸の奥底で燃え続け消えないあなたへのを切ない思いが見事に表現されている。
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味わい深い歌詞を卓越した表現力と歌唱力で歌い上げる。
透明感のある声質は抜け感がハンパなく惚れ惚れと聞き入ってしまう。
夕張と足寄、過疎化が進む同じ北海道の田舎町出身の松山千春とも親交が深かったようで、千春もラジオで彼女を悼みつつその歌唱力を絶賛していた。
夕張北高から藤女子短大という経歴も同じ北海道として親近感がわく。
昭和の職人、プロフェッショナルがまた一人逝ってしまった。
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